“おっぱい”はエロ? エロ本元編集者にはどう見える?

――ところで樋口さんは作家になる前、かなりハードなエロ本の編集者をされていたそうですね。エロの“おっぱい”と授乳の“おっぱい”、どちらも“おっぱい”なワケですが、このふたつに違いってあるのでしょうか。

樋口:ごく一部のマニアの人は、エロの“おっぱい”と授乳の“おっぱい”がイコールかもしれません(笑)。母乳プレイが好きな人は、ね。

でも悲しいぐらいノーマルな僕は、授乳中の妻に欲情したことはないなぁ。

――樋口さんとパートナーのタレント弁護士・三輪記子さんの、男と女のセキララ暴露話については『おっぱいがほしい!』をご覧いただきましょうか(笑)。

「密室育児」を振り返って、得られたものは何ですか?

――外出を控えがちになっているママたちはいま同時に「密室育児」という問題も抱えてしまっているのですが、樋口さんの「密室育児」体験談については、別のインタビューでも語っていただいたことがありますね。なかでも樋口さんにとって、一番しんどかったエピソードを教えていただけますか。

樋口:やっぱり、生まれたての赤ん坊とふたりきりで、ずっと一緒に過ごさなければいけなかったことでしょうか。

赤ん坊を外に連れて出たら風邪を引いちゃうんじゃないかと思ってふらっとコンビニにも行けないし、夜も2、3時間ごとにミルクとオムツで起こされましたし。すぐ吐くし、夜中にベッドのシーツを替えたり。育児の最初の1カ月間は記憶にないです。

僕は東京で生まれ育ったんですけど、妻の仕事で見ず知らずの京都で育児をすることになったんです。いま思えば、これは大きかったですね。

妻が仕事に復帰したのは、出産の2カ月後。東京でテレビの生放送があるため、生まれて4カ月の息子とふたりきりで夜を明かすことが週に最低でも1度あり、ひどく心細かったです。

息子が保育園に入れたのは、生まれてから5カ月後でした。相談できる人も、親しい人もいない。よく気が狂わなかったな、と思います。

――インタビューの最後に教えてください。「密室育児」をしていて、得られたものは何ですか。

樋口:「密室育児」で得たもの……ないと思います。。。

樋口毅宏「密室育児」実体験者として登壇!『全日本おっぱいサミット』開催

公共の場での授乳問題と密室育児を考える。

樋口さんが「密室育児」実体験者として登壇する【全日本おっぱいサミット】は、10月27日(日)10:30(10:15開場)~12:00、東京・表参道の東京ウィメンズプラザで開催されます。

「閉鎖環境は人の心と身体にどんな影響を与えるのか」を宇宙取材のエキスパート・林公代さんが、「ママの産後うつ・パパの産後うつ」を産婦人科専門医・村上麻里先生が解説。

加えて「密室育児」の対極ともいうべき「共同保育」コミュニティーで育ち、その体験をドキュメンタリー映画『沈没家族』にしてロングヒットを飛ばしている加納土監督、さらに来場者も交えてディスカッションする予定とか。

樋口さんにもぜひ熱く「密室育児」の実情を語っていただいて【全日本おっぱいサミット】で解決策にたどりついてほしいですね!

15の春から中国とのお付き合いが始まり、四半世紀を経た不惑+。かの国について文章を書いたり絵を描いたり、翻訳をしたり。ウレぴあ総研では宮澤佐江ちゃんの連載「ミラチャイ」開始時に取材構成を担当。産育休の後、インバウンド、とりわけメディカルツーリズムに携わる一方で育児ネタも発信。小学生+双子(保育園児)の母。