本当にそうです。コロナを取り巻く今の状況に対して、考えさせられることの本当に多い現場でした。
今は、一般の人たちも皆、暑い中、マスクをして汗をかいたりしますよね。でも、医療現場のお医者さんや最前線で働く方たちは、ゴーグルで目を覆って、髪も、手も、防護服に覆われて。身体中のどこの皮膚も、一切空気に触れていない状態で。
私たちは撮影だったから、脱ぎ着は自分でしていたんですが、実際には、防護服にはウイルスが付着しているかもしれないので、人の手を借りないと自分で脱ぎ着できないと聞きました。
患者さんの看護にあたるとき、防護服が必要でなければ、すぐに駆けつけて対応できるものも、コロナの場合だと、どんなに緊急でもまず、大変な装備をしなければいけなくて。
防護服であるがゆえに、1分1秒を争って人の命を救うとき、助けられるかどうかとか、患者さんのわずかな変化を見落としてしまうんじゃないかとか、考えなきゃいけないことも、余計にあると思うんです。
ドラマは、日本でコロナが感染拡大しつつあった、序盤の頃を描いていて。その頃でさえ、医療現場はあんなに大変で、感染者が増えてからは、どんなに大変かと思うと…。それがひとつの病院だけじゃなくて、日本中の病院で起こっていることでもあって。
人手や病床、物資や装置が足りない現実が、少しですがわかった気がするし、実際の医療現場には、想像の及ばない大変さがまだまだあるんだろうって、身にしみて感じられて。
今までは、自分や自分の家族、周囲の人のために、まず予防をしっかりしなきゃいけないと思っていただけだったけど、医療に従事する方たちの笑顔が、1秒でも多く見られるように、感染予防に気をつけなきゃいけないんだって、すごく感じました。
--貴重な経験の中で、寺脇さんとはドラマ初共演でしたね。
そうなんです。これまでの共演は舞台だけだったので。
寺さん、相変わらずお茶目さんで可愛かった! 「可愛い」って言っていいのかな? わからないけど(笑)。この作品と役柄に携わりながら、寺さんからのエネルギーを全身にチャージしてました。
でも、やっぱりお芝居って緊張します…。
--舞台とはまた違う緊張ですね。
はい、少し苦労しました…。大変だった(汗)
--医療用語などが大変そうです。
台詞というか、動きが難しかったなぁ。撮影現場では、動きを指導してくださる先生が側にいて、手つきを教えてもらいながらやりました。
今回はドラマ撮影でしたが、病院というと、病気のときに行く、日常的に行かないところだけに、撮影とはいえ、心に「ズシっ」とくるものがあったというか。
病状が切迫した寺さんに、治療のための管がたくさん通されているシーンがあったんです。その様子を眺めているときは、なるべく「無心」をキープするようにしてました。管を通された寺さんを見て、何とも言えない複雑な気持ちになりました。。
--撮影は何日間くらいあったんですか?
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