9月の3週連続配信リリースに続いて、10月21日(水)には昨年から今年にかけて行われたツアーの模様を収めた『ASKA premium ensemble concert -higher ground- 2019>>2020』の映像作品がリリースされる。
さらに、11月8日(日)にテレビ東京全国6局ネットで、このツアーに密着したドキュメンタリー番組が放映されることとなった。積極的なリリースにメディア展開と、このコロナ禍と言われる時代に、ASKAという稀代のシンガーソングライターの存在感が増している。
音楽、そして時代との距離感を彼の視線で見つめてみると、そこにはまったく新しいリアルが浮かび上がってくる――。
――『ASKA premium ensemble concert -higher ground-』は、ASKAさんの歌とバンド、そしてbillboard classicsというストリングス・チームの三位一体の形が最大の特徴ともいえるライブでしたが、ここに行き着くまでの経緯を教えてください。
ASKA:僕が音楽活動を再開したときに最初に声をかけてくれたのがbillboardさんで(※2018年『ASKA PREMIUM SYMPHONIC CONCERT 2018 -THE PRIDE-』)、ま、ああいう状態のときに声をかけてくれたことに僕は一生の恩を感じています。
その次のツアーでバンドツアーに戻り(※2019年『ASKA CONCERT TOUR 2019 Made in ASKA - 40年のありったけ - 』)で、また声をかけていただいたのが、今回映像作品となる『ASKA premium ensemble concert -higher ground-』だったんですね。
前回(2018年)からタームが近かったことは気になりました。でも僕としてもまたご一緒したいという気持ちがあった。何か面白いものが作れないかなって考えたんですよ。そのときに、billboard classicsの華やかな女性チームがステージを彩って、バンドと一体になり、さらにそれでツアーをする、という形が見えたんです。こういう形でストリングス・チームを引き連れて全国ツアーがやれるなんてことは考えたことがありませんでした。
――単発でやるのとツアーでやるのとでは何もかもが違いますもんね。
ASKA:そうなんです。それで、彼女たちはそもそもクラシック畑の人たちなので、音を加工するのに抵抗があるんじゃないかと思ったんです。一人一人の楽器にピックアップマイクを付けさせてもらうことをダメもとでお願いしてみたんですよ。
そしたら「私たちはロックもポップスも聴いているので抵抗はありません」と、即決してくれたんです。さらにもうひとつ。ライブはやっぱりお客さんが喜んでくれてこそのライブなので、ステージ上でのパフォーマンスもお願いをました。「よろこんで!」って。もうすべてがうまくいきました。だから演出もしやすかったですし、歌を歌っていて本当に楽しかったですね。
――ASKAさんにとっても得るものの大きかった体験だったわけですね、
ASKA:何よりストリングスがこれほどステージで映えるとは思ってもみませんでしたから。やっぱりピックアップマイクを通したストリングスの存在感は想像を超えていました。
――かつそれが、バンドサウンドとの融合を果たしているわけで、それは口で言うのは簡単ですが、なかなかハードルの高いことですよね。特にライブという現場においては。
ASKA:ツアーにおいて一緒にまわるグループは家族じゃないとダメだと思っているので、今回は大所帯でしたけど本当に家族となって各地をまわれました。残念ながら残り2本が延期状態となっているんですけど、グループみんなで「早くやりたいよね!」ってメッセージ交換しています(笑)。