[第26回]宮澤佐江、3つの秋。今まで以上に感じる、舞台“演じる側”“観る側” のエネルギー、拍手・アンコールの重み。

好きじゃないです、秋。

－－「ミラチャイ」連載でも、数年前からそう話していたけれど、いまだに秋はダメですか?
（第33回）

ダメですね。去年は平気だった分、今年はちょっといやな感じがしていて。そういう面ですごく気をつけよう…っていうか、内側に入らないように心がけたいと思っているんです。

でも、季節が嫌いというわけではないんですよ。例えば、ファッションは秋冬ものがすごく好きなんです。

もう夏服に飽きていたところなので、涼しくなってきて、長袖を着られたり、上着を羽織れたりするのは、テンションが上がることのひとつですね。

なので、服、いっぱい、ほしい欲も出ちゃってますが…。

やっぱり秋は、苦手だな。

－－日暮れの時間も夏より早くなって、寂しげな感じが嫌いっていう人もいたりしますが。

私は違うなぁ。

気分が落ちやすくなるサイクルが、たまたま秋にくるだけで、秋の匂いとか、紅葉も好き。でも、気持ちの浮き沈みが激しくなる時期だから、生活するうえでは不便だなぁと思います。

－－「美」や「食」のように、テンションをあげられるものがいくつかあるといいですね。

それが秋って、テンション上がることがなくて。ダメなんですよ。響かないんです、秋の宮澤佐江には（笑）。無感情でいるときが、結構多かったりするんです。

だから秋は基本的に、あえて人に会おうとは思っていない自分がいたりして。

今年は状況も状況なので、特にそう思っているんです。誰かに会ったらテンションが上がるとか、元気が出るわけではないって、自分でわかっているから、あえて人に触れなくていいやと思っているところがあるんですよね。

－－ひと足早い、冬眠みたいな感じですね。

そう、冬眠かも、そうだ!

ここ5、6年は、秋が来ると毎年構えちゃう。8月が終わると「来る、来る〜」ってなっちゃって。ははははは。

秋がよく「食欲の秋」と言われるのも、気候的な影響で、秋はダイエットに不向きだそうで、身体が痩せづらくなったりするようです。あと、月の満ち欠けも、身体に影響するって説を読んだこともありますし。

－－代謝が上がる夏から秋への変化に、身体が反応するのでしょうか。

ね。人間の身体が一番敏感に感じやすい季節なのかもしれないですね。

－－そうですね。ならば「芸術の秋」はどうですか? 久々に観劇した生の舞台は、佐江ちゃんにどんな刺激をくれたんでしょう?