そうなんですよね。「あ、そういう捉え方もあるのか…」っていうこともあります。

本来ネットは、「好きな時に思ったことを書くもの」のはずなのに、私自身、最近はすごく気を使ってしまって、業務的なものばかり投稿している感じがするんです。

--難しいですよね。同じ発言をしても、好意的に取られる時もあれば、そう取られないときもあって。

本当にそうですね。結局、今回の作品をやって思ったのは、アンチの人たちって、実はそのターゲットに興味はないんです。ただ、その時の流れに乗って発言をしているだけだから、数カ月後には「なんだっけ? そんなこともあったね?」くらいになっちゃう。

「興味がないのに攻撃したことで、どれだけ人の心を苦しめているか、分かっていますか?」
って、今回、自分自身がネット民の声をやっている時に思いました。本当に「文字は凶器」だなって思います。

--文字だけだと、やはりニュアンスも伝わりづらいですからね。

そうですね。声なら、どういうテンションで言っているのか分かるけど、文字だけだと分からないですからね。語尾が「!」なのか「。」なのか。それだけでも捉え方は違ってくるし、語尾に「笑」があるだけでも、印象は全然違うから。

大変だよなぁ。窮屈な世界だなぁ。

もちろん、ネットを上手に使っている人たちもたくさんいるから、私自身、ネットに対してアンチになりたくないし、使わざるを得ない仕事をしているからあれなんですが(笑)

不思議な世界だなって思うんです。知りたいことを、指先ひとつで簡単に学べるいい所もあるけれど、指先ひとつで何でも出てきちゃうのは、怖くもあると思うんです。

--ネットは利便性もあるけど、怖さもあることが、作品として表現してもらうとすごくわかりやすいなと思いました。しかも、朗読劇なので、視覚的に入ってくる情報が限られているからか、むしろ余計に怖さがジワジワ伝わってきました。

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