観てくださったんですね。ありがとうございます。

前回の取材の時はまだ、一部公演の中止が発表される前でしたよね。

お芝居はやればやるほど新しい発見があったり、進化があったりするから、どんな舞台でも1公演1公演、達成感にあふれて、「次はこういうことやってみよう」って、新たな志が生まれたりするんです。

だから、今回も「もっとやりたかった」っていうのが正直な思いです。でも、今回は少しだけそれとは違う思いがあるんです。

今回の作品は、ネットによる誹謗中傷や、「アンチ」というものを描いた作品でしたよね。

今、ネットによる攻撃の中で耐えている人がすごくたくさんいることや、それをきっかけに命を落としている人もたくさんいる。この作品は、そういう「今」を伝えられていた作品だったから、よりたくさんの人に観てほしかったという思いが強くて。

いつもなら、自分が楽しかったから「もっとやりたかった」っていう表現になるんですが、今回は、作品の内容が今の時代にぴったりというか、身近な内容だったので、そういう面で、もっとたくさんの人に危機感を持って観てもらいたかったと思うんです。なので、

「もっとやりたかった」

っていう思いがありますね。

--確かに今の時代、ネット上で誹謗中傷をされたり、個人攻撃を受けたり、プライバシーを晒されたりするのは、有名人だけでなく、普通に生活している人の身にも起こりうる話ですね。

本当ですね。

ネットを使う人たちが、同じひとつの発言について、いい方に捉えるか、悪い方に捉えるか。それが読めない現実があるから、私自身、SNSは苦手で、そういうことに気をつけながら使っているけれど。。

--気をつけていても、文字だけだと違う意味に取られてしまうこともあったりして。

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