そう、そうなんです。

ダンスは、エンタメの中で一番好きなので、よく動画を見るんですが、ダンサーさんのダンスは、ラクそうに踊っているものほどカッコよく見えたりするんです。私自身、こういう感覚をいつも頭の中に置いていて、

「今、全力になり過ぎているから、ちょっと力を抜こう」

って、意識したりしています。

前回の朗読劇の時に、「お稽古で、いろいろ言われ過ぎると、正解が分からなくなってしまう」という話をしましたよね。(第33回)

フォトギャラリー【本文未掲載分もあります】「ミラチャイ☆」連載 第33回

あの後、言われたことを全部1回消してやってみたんです。そうしたら、それまで分からなかったことが、意外とすんなり自分の中に、ストンと入ってきて。

「これもやらなきゃ、あれもやらなきゃ…。ここではこうしなきゃいけないんだ…」

台本に書き込み過ぎて、そればかりを見ていたから、感情が台詞に全く乗ってきていなかったんです。でも、書き込みを全部消してみたら、

「おぉ、なるほど…、こういう言い回しもあるのか!」

って、発見できたりして。

--実際に書き込みを全部消す作業をしたのですか?

全部消しました。朗読劇の台本に自分で書き込んだ言葉は全部。

その上でもう1回同じ言葉を書き込んだ時は、やっぱり必要なんだと思って、その言葉を立たせるような言い方にしてみたりしました。「台詞は組み立て作業なんだ」って、朗読劇では勉強しました。

次の舞台、『きみはいい人、チャーリー・ブラウン』でも、いつもなら、本読みをする前に、「こういう言い方にしよう」って、あらかじめ自分の中で作ってしまいがちだったんですが、今回のルーシー役は、今の段階では、台本にまだ何も書き込んでいない状態です。

--今日の佐江ちゃんのお話を聞いて思ったのは、7年前と向かう方向は同じなのかもしれないけれど、アプローチの仕方が7年前とは変化していますね。

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