和田庵 撮影:源賀津己

『舟を編む』、『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』、『町田くんの世界』など、挑戦的で質の高い作品を発表し続ける石井裕也監督の新作『茜色に焼かれる』。

理不尽な世の中に翻ろうされながら、力強く生きて行く母と息子の姿を見つめた本作で、15歳の新人俳優・和田庵(わだ・いおり)が、主演の尾野真千子の息子役に抜擢され、爪痕を残している。

芸歴は長いが、ここまでの大役は初挑戦の和田。インタビューの際には、「昨日、サインを考えたんです」と初々しい姿も!

そんな和田に、芝居への向き合い方を変えた石井監督からのアドバイスや、本作のオーディションが行われる直前の、昨年の夏まで行っていたというカナダ留学こと、夢中だというスケボーについてなど聞いた。

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  • 和田庵 撮影:源賀津己
  • 『茜色に焼かれる』 © 2021『茜色に焼かれる』フィルムパートナーズ
  • 和田庵 撮影:源賀津己
  • 和田庵 撮影:源賀津己
  • 『茜色に焼かれる』 © 2021『茜色に焼かれる』フィルムパートナーズ

カナダ留学から帰国後、即オーディション、即クランクイン

――見ごたえのあるヒューマンドラマです。脚本を読んだとき、純平役に決まったときの感想は?

僕がいままでやらせていただいた役のなかで、一番セリフも多くて重要な役。中学時代、カナダに留学していたので、久しぶりのお仕事でしたし、プレッシャーに感じる部分がいろいろありました。

でもそれ以上に出演が決まったことへの驚きや喜びが大きかったです。

ストーリーとしては、R15+らしいすごく大人な内容だなと思いました。純平は自分とはかけ離れた部分が多くて、撮影が始まるまで、どんな子だろうとずっとイメージしていました。

和田庵 撮影:源賀津己

――帰国後にオーディションを受けたのですか?

そうです。帰ってきてすぐ、オーディションを受けました。最初の書類選考のときに、自己PR動画を送ったのですが、そこで今までのお仕事や演技に対して、どう向き合ってきたのか、今後どう向き合っていきたいかを話しました。

オーディションの際にも、その動画での自己PRを誉めていただきました。決まってからは、1か月くらいで、すぐに撮影でした。

――純平は自分とかけ離れた部分が多かったとのことですが、純平は本を読んで静かに過ごしているタイプですが、和田さんはスケボーなど、体を動かすのが得意だとか。

はい。そういうところが違います。でも共通点もあって、演じてみて気づいたのですが、純平には結構負けず嫌いなところがあるんです。

僕もあまり見られないのですが、本当はすごく負けず嫌いで、そういう部分は似ていると思いました。