ラウールは表現者としてものすごく大きなものを持っていて、羨ましい
――メインキャストの中では坂東さんが一番年上ですし、ラウールさんも初の単独主演映画でしたし、現場では自分が全体をまとめる、というような意識はありましたか?
最初に本読みをしたとき、ラウちゃん(ラウール)がかなり緊張していたんです。僕は初めての現場のとき、すごく緊張したし、そのときのことが強く印象に残っていたので、ラウちゃんには伸び伸びと気持ちよくお芝居ができる現場になってほしいな、と。この現場でお芝居を好きになってほしい、と思いました。
だから、その辺のことはたっつん(高嶺友哉役の濱田龍臣)とも話をしましたし、周りの空気が悪くならないように、大変なときでもみんなで笑いながら撮影ができるように考えていました。
普段、僕が現場で先輩方からそういう気遣いをしていただいているので、その感覚を自分がやることは、僕にとってもいい機会になりました。そういう気持ちを少し自分が持つだけで、こんなにも現場が明るく、楽しくなって、撮影が終わったあとにも、「あの現場は楽しかったね」って、振り返れるのは、すごく嬉しかったです。
――坂東さんから見たラウールさんはどんな人ですか?
エネルギーや才能をすごく持っている人だな、と思いました。ただそれを照れみたいなもので隠してしまうことがあるので、もっとバーン!と出してもいいのに、とも。会話をしたりしていると、熱さとか、爆発力みたいなものをすごく感じるんです。
人見知りなところもあるから、そういうものをグッと堪えてみんなと接しているんだろうな、とも思ったし。あとは、今回は一番年下ということもあって、みんなに甘えていたりもして。そこは純粋にかわいいな、って(笑)。みんなに愛されるキャラクターですね。
――ラウールさんは、撮影時は17歳と、年齢的には絶賛思春期ですからね。
そうなんですよね。だから熱さを出すのが少し恥ずかしいと思ってしまうのもわかるんです。ただ闘志みたいな、目の奥からギラギラしたものが伝わってくるんです。表現者としてものすごく大きなものを持っていて、羨ましいな、とも思いました。今の段階でこんなんだったら、これからどうなっていくのか恐ろしいと感じるくらい。
今も踊っているところとかを見ると、「すっげーなー」って思うので、僕はもう彼のファンです(笑)。ラウちゃんはいろんな顔を持っていますからね。これからもずっと見ていきたいと思います。
――メインキャストの皆さんは同級生役ですが、実際には年齢差もあり、キャリアも違います。一緒にいるときの雰囲気はどんな感じでしたか?
なんか今回はいい意味で、前に出ようとする人がいなくて、会話をしていても、みんながみんなの話をすごくよく聞いていて、居心地が良かったです。しかもそれが気を使い合ってるわけじゃなくて、自然とそうなっていたので。輪を大切にするタイプの人たちが集まっていましたね。