悟はまんま僕です(笑)
――悟を演じる上で意識していたことはありますか?
力まず、フラットに、ありのままでそこにいるような感覚でお芝居をしていました。
――そのせいなのか、悟には普段の坂東さんを見ているような感覚もあって。
これまで僕に会ったことがある人だったら「こいつ、素でやってるな、芝居してないな」って思うと思います(笑)。『ひとりキャンプで食って寝る』とか『夢中さ、きみに。』なんかもそうだったんですけど、まんま僕です。素を知られたら終わりです(笑)。
――でも、逆に映画『スパイの妻』などの時代ものだと、普段とは全く違う雰囲気の坂東さんですよね。
そういう作品のときは、普段の自分を封印しています(笑)。
――そのふり幅がすごいな、と。
自分としてはどっちも好きです。自分とは全く違う誰かになるときも、どこか自分と共通点があってそこを膨らませていく今回の悟のような役も、どちらもやっていてワクワクしています。
――悟にはどの部分に共感できましたか?
恋愛面で言うと、悟の鈍感さは、わかるな、と(笑)。僕も相手からの“好き”という気持ちを受け取れないときがあるので。そのボケっとしているというか、天然っぽいところはちょっと似ているな、って思いました。
――悟は相手の気持ちに気づかないというか、自分の気持ちにすら気づいていないようなところもありますよね。
さすがに僕はそんなことはないです(笑)。僕は好きになったら止まらないタイプなので、そこは悟とは違います。
あと、悟とは恋愛面以外でも、人に対して好奇心があるところとか、周りの人を気にするところとか、ワクワクを忘れずに楽しむところとか、共通点が多かったです。悟のみんながハッピーになるためにはどうすればいいんだ、って考える感覚は、僕自身とかなり近いところにあるな、と思っていました。