芹奈タイプからは相手にしてもらえないと思うので、僕も相手にしません(笑)

撮影:小嶋文子

――本作に登場する女性キャラクターの羽花(吉川愛)、菅野芹奈(堀田真由)、あゆみ(岡本夏美)は、どの子もすごくかわいくて、良い子ですが、坂東さんはどのキャラクターが好きですか?

ホント、3人ともがずるいくらいかわいいですよね(笑)。だから悩みますけど、高校に入学して、教室のドアを開けてまず目に入るのは芹奈かな。ちょっとツンとしていて、パッと見で美しい感じに惹かれると思います。でも、僕の性格からすると、あゆみみたいに、一緒にいて安心できて、ふざけたりもできる子に惹かれていくんだと思います。

高校時代の僕を思い出すと、芹奈みたいな人にはたぶん相手にされないんですよ。俳優は自分のことを客観的に見なくちゃいけない仕事でもあるので、その辺はわかっています。どんどんわかってきて嫌になるときもありますけど(笑)。スパーンと切られます。

©2021「ハニーレモンソーダ」製作委員会 ©村田真優/集英社

――そうすると、役柄的にもちょうど良かった、と。

そうです。一番共感です。映画の中でも悟と芹奈なんて、絡みすらなかったじゃないですか。生きてる次元が違うというか、天と地ですよ(笑)。

――芹奈は女性から見ても素敵な人ですよ。

だから僕もいいな、と思うんですけど、芹奈からは相手にしてもらえないと思うので、僕も相手にしません(笑)。好きになり損です。

――片想いする良さもあると思いますけど(笑)。

それがわかるからこそなんです。僕、高校三年間、ずっと片想いをして、時間を使い果たしたので。他校の人だったんですけど、芹奈タイプで、みんなからキレイって言われていた人に片想いをし続けて終わりましたから。それはもう学びました(笑)。

撮影:小嶋文子

――坂東さんは5月にお誕生日を迎えて、24歳となりましたが、この一年、どんな風に過ごしたいですか?

毎年、時間が過ぎていくのがどんどん早くなりますよね。二十歳を過ぎた頃から徐々に早くなってきているな、と感じているので、その中で過ぎ去ってしまうものを見失わないようにしたいです。

既に自分の中にあるものや、見えてきたもの、これから見るものを、見失わない。新しいものを発見することも大事にしながら、これまでのものも大事にしたいんです。そうすることで、25歳以降に関わってくるというか。気持ちの上で成長をしていきたいですし、人間としても大きくなりたいです。

あとはやっぱりお芝居を楽しむこと。30歳、40歳、50歳と年を重ねても、ワクワクする気持ちは忘れないようにしたいです。


演じた悟について「『こいつ、素でやってるな、芝居してないな』って思うと思います(笑)」と、まさに悟っぽい屈託のない笑顔を見せながら話してくれた坂東さん。一方、写真撮影ではこちらがドキっとするくらい、大人っぽいクールな表情を見せ、そのふり幅の大きさにさらに興味津々となりました。

作品紹介

映画『ハニーレモンソーダ』
2021年7月9日(金)全国ロードショー