撮影/奥田耕平

「22年くらい探していた“自分らしさ”が、ようやく分かりかけてきた気がしています」

2022年、春――俳優・松本まりかさんは、2018年のブレイク後初めて休養を取った。約1ヵ月の間、“自分とだけ”向き合った。

「仕事がない時期があって、また仕事をいただけるようになった。でも、この数年間こなすように日々が過ぎて行き、やりきれないこともたくさんあって。ある時から限界が来るわけですよ。つらい、眠い、台本を読む時間がない、セリフが言えないってなった時に、これはもうダメだ!って。走ってきた足を一度止めて、自分と向き合わなければと。人生で初めて、自分を大切にした時間でした」

自分を大切にすると決めた時間。彼女が訪れたのは「いつか行ってみたい」と思っていた、“スリランカ”。世界3大医学の一つで世界最古の伝統医学“アーユルヴェーダ”に触れ、大きな気づきを得たのだ。

「(アーユルヴェーダの)先生に『あなたは今とにかく走りすぎているから一回ゆっくり歩いてみて』と言われたんです。落ち着いて、呼吸して、ゆっくり歩いて……たったそれだけなんですけど、そしたらすごく心地よい気持ちになったんです。その時、あっこれが自分なんだ。と思えるようになりました。仕事をしている時、芝居をしている時、どんな時でも私がありたい状態はこれなんだって」

フォトギャラリー【全11枚】軽やかな笑顔を見せた「松本まりか」インタビュー写真

『妖怪シェアハウス』初のお墓撮影に「居心地がよかった」

撮影/奥田耕平

松本さんは、先日最終回を迎えたドラマ『妖怪シェアハウス-帰ってきたん怪-』(テレビ朝日系)に出演。本作は、2020年9月度ギャラクシー月間賞も受賞した連続ドラマ『妖怪シェアハウス』の続編。

「自分らしく生きる」ことを決意し、妖怪たちの住むシェアハウスから旅立ったヒロイン・澪(演:小芝風花)が、シェアハウスへ里帰りするというストーリーだ。2022年6月17日(金)からは、映画『妖怪シェアハウス―白馬の王子様じゃないん怪-』の公開も始まっている。

松本さんが演じる四谷伊和は、看護師として働いているが、怒るととにかく怖い。澪を過保護なほど溺愛している。しかし、その正体は「うらめしや」でおなじみの『四谷怪談』のお岩さん。夫・伊右衛門に裏切られ、さらには毒で殺され醜い顔になったことを根に持っている恐ろしい幽霊だが、本作においてはその恐ろしさが成りを潜めている。

松本さんも「令和の時代に寄り添ったお岩さん像」と微笑みながら話した。

撮影/奥田耕平

「我が道をいく、ちょっと天然で美容が好き。とても親しみやすいですよね。欲求に素直で自分のエゴもあって、とても人間らしい。それがまたかわいらしいじゃないですか。澪への心配は尽きないですけどね(笑)。ただ怖いだけだったお岩さんを、現代に置き換えてコミカルでポジティブにしているところはすごく魅力的だなって思います」

映画版では、豊島圭介監督の要望でお墓での撮影があったという。この撮影を振り返り、「伊和を演じる上でとてもしっくりきたんです」と明かした。

「まさに“お岩さんの場所”、“お岩さんが一番似合う場所”で撮影できたのが嬉しかったです。お墓での撮影は、ちょっとだけ『私の場所だ』って思いました(笑)。それくらい、いつもの撮影とは少し違う感覚がありました」

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