人見知り具合が同じ? オイルを注さなくても歯車が回る関係
──ところで、おふたりはこれまでにも交流があったとのことでしたが、どんな関係を築いておられるのでしょう。
中村 お互い大人ですし、キャリアも長いので、嫌味も雑味もなくフラットに心を開いて接している気がします。
福士 わかる、わかる。
中村 オイルを差さなくても歯車が回っている感じはありますよね。
福士 うん。でも、交流といっても実は1回くらいしか会っていないんだよね。
中村 たぶんそうだと思います。舞台を観に行ったときに挨拶したくらい。
福士 だけどこういう感じになれているのは、たぶん人見知り具合が似ているのかなと思います。
中村 僕は人見知りしないよ。
福士 うん。だからそのへんの温度とか匂いが同じなんだと思う。
中村 探り合うこともなく。
福士 ズバズバ言うこともなく、いい距離感で。
中村 相手へのリスペクトが邪魔になっていないというか。萎縮したり気を遣ったり遠慮したりっていうことがない。
──これが初共演ですが、稽古場でお互いの芝居の作り方を見て、面白いと思うことがあったりしますか。
中村 今回、僕以外みんな、まっすぐ真面目なんですよ。僕は、セリフはやっているうちに覚えるだろうとか、とにかくやっちゃえっていうことが多いんですけど、皆さんはもう台本を持ってないし、ちゃんと考えて毎日稽古場に持ち込んでくる。いや、僕も考えてはいるんですけど(笑)、その雰囲気は福士くんが作ってくれている感じがありますね。
福士 ほんとに? 確かにセリフは、今回に関しては歌と芝居があって大変だから、先に覚えられるものは覚えておきたいと思った。でも、一応稽古場に持ち込むものはあるけど変わることもあるし。僕はやっぱり、河原さんと倫也くんがいろいろ試しているのが素敵だなと思います。
このふたりが基盤を作ってくれているので、僕はラク。動きのあるルードヴィヒを倫也くんがやってくれて、僕はそこの感情についていく感じがあったりもするので、面白いですね。
──最後に、ミュージカルということにちなんで、おふたりに音楽についてお聞きしたいと思います。音楽とはどんな関係を持っておられますか。
中村 僕は運転したり家事をしているときは、だいたい音楽かラジオを流しています。小学生の頃はお小遣いをもらうとCDを買う子だったので、音楽好きなんだと思います。それも、歌詞をすごく覚えているので、物語や詞世界にフォーカスして音楽に触れていたんだなと、大人になって気づきました。
ただ、この作品に入ってからは、いわゆるJ-POP断ちをしていたんです。この舞台の楽曲か、ベートーベンやモーツァルトといったクラシックしか聴いていなかった。でも、昨日の稽古帰りに、頭をリフレッシュさせなきゃと思って、iPhoneに入っている曲をいろいろ流したんですよ。そうしたらまぁ心地よくて(笑)。ただ聴いているだけでいいっていう音楽の効果を、実感しました。
福士 わかる(笑)。僕も音楽は好きで、車の中で色々なジャンルを流していましたが、最近は、この作品の楽曲とベートーベンですね。そして、ベートーベンほどじゃないかもしれないけど、生み出す苦しみがやっぱりあります。歌詞を覚えて譜面通りに歌ってちゃんと伝わるものにするという作業は、ただ楽しいだけではないので。
中村 それはそうだよね。
福士 だから、カラオケに行きたいです。倫也くんとカラオケに行って、好きな歌を無責任に歌って、これだよねって言いたい(笑)。
中村 本当に! 早くそんなときが来るように、必死にやります。
ヘアメイク/松田陵[Y’sC](中村倫也)、mi-co[fake](福士誠治)スタイリング/戸倉祥仁[holy.](中村倫也)、吉田ナオキ(福士誠治)
公演情報
MUSICAL『ルードヴィヒ ~Beethoven The Piano~』
【ライブ配信】
11月13日(日)13:00 開演(東京公演千穐楽)
11月30日(水)13:00 開演(大千穐楽)
【当日券キャンセル待ち参加券】
各公演の前日18:00~開演4時間前まで受付
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