益善洞エリア、焼肉横丁の顔「味カルメギサル専門」(鍾路3街)
スタイリッシュなカフェレストラン街とおじいちゃんの憩いの場と新宿二丁目が混在するキサイティングな鍾路3街のなかでも、特別な輝きを放っている店が「味カルメギサル専門」だ。
カルメギサルは豚ハラミの俗称で、サムギョプサルのように脂っこくないので食べやすい。
夕方になると主人のオム・ジュワンさん夫婦が肉の掃除(筋や脂肪を除去)する姿が見られる。オーナー夫妻自らこの作業をすることがこの店の信頼と人気につながっている。
手入れされた肉とモヤシスープ、サンチュ、手作りの白菜キムチと芥子菜キムチがテーブルに並ぶ。きな粉、エゴマ粉、塩の3種セットと野菜サラダのレモンソースがけが添えられている。
レモンソースはオムさんの自信作。辛い唐辛子で辛味付けした醤油に芥子を溶き、さらにレモンを搾って熟成させたものだ。
細いパイプに温水が循環する特殊な網で焼かれる肉は、焦げにくく、焼きむらが出にくい。シコシコした歯ごたえで、肉汁も保たれている。
これをレモンソースにつけると、あきずにたくさん食べられる。酒のつまみとして秀逸な焼肉だ。
鍾路区敦義洞7-1 ※地下鉄1・3・5号線「鍾路3街」駅6番出入口から徒歩1分
15:00~22:30 第1、第3日曜休
母の真心から生まれた健康志向の「サムボク韓方タッカンマリ」
タッカンマリと言えば、東大門総合商街の西側の横丁を思い出す人が多いだろうが、この店は東大門駅から1号線で5駅、北東方向に行った回基駅の近くにある。
シェフのヤン・ヨンドさんは母親が作ってくれた鶏の水炊きをヒントに、独自のタッカンマリを生み出した。この店は家族総出でタッカンマリを美味しくすることに心血を注いでいる。
締めたての鶏の下準備はお父さんが担当。余計な脂などを丁寧に取り除く。
クスリ臭くならないよう厳選した12種類の生薬(杜仲、マツホド、熟地黄、葛根、桑枝、クズ、ハリギリ、アマドコロなど)と締めたての国産鶏を長時間煮込む。トッピングはニラ、ニンニク、ナツメだ。
誰もが黒いスープに驚き、苦いのでは? と心配するが、口に含んだ瞬間、その疑念は吹き飛ぶ。鶏のダシがきいていて、ほのかに甘味もある。
副菜のネギキムチはお母さんが漬ける。甘味と苦味とコクのある塩味が調和した傑作だ。ごはんがほしくなってしまう。
一回の食事で、味と健康と家族愛にふれることができる希少な店だ。
東大門区回基洞64-45 ※地下鉄1号線・京義中央線・京春線「回基」駅1番出入口から徒歩8分
11:00~22:00 月曜休