ハムとソーセージに大満足! スープもごくごく飲める「キョンア食堂」のプデチゲ

「キョンア食堂」のプデチゲ。締めのラーメンを入れる段階でもハムとソーセージが存在感を示している

ひとことで言うと、太っ腹な店だ。

家庭の事情で幼い頃空腹のまま過ごすことが多かった20代のオーナー、チャンさんが作るプデチゲは、ハムとソーセージがたっぷり入っていてボリューム満点だ。

韓国には朝鮮戦争時に飢えることの恐ろしさを知り、自分が食堂をやるときは安くて量を多く提供しようとする店がいくつかあるが、チャンさんは若いのにそれに近い感覚をもっているのだ。

スープは牛胸肉やダイコンの干し葉でとったダシに、酸っぱいキムチやニンニク、コチュジャンを加えてじっくり煮込んだもの。ダイコンの干し葉には脂っこさや臭み消しの効果がある。

プデチゲの主役であるハムとソーセージは、番組でも紹介していたように黍を使って低塩化する手間ひまをかけている。スープをもしっかり味わってほしいので、あっさり目に仕上げているという。

「キョンア食堂」のプデチゲを美味しくする食材

完成した鍋を見たら、ハムとソーセージの量に驚くだろう。ふつうの店の倍は入っている。プデチゲの店ではもっと食べたい食材があったら追加で頼むのだが、ここでは不要だ。

スープがしょっぱくないので、ハムとソーセージをたっぷりいただいてももたれない。最後にラーメンを入れてフィニッシュだ。

チェーン展開している「キョンア食堂」は現在12店舗

江西区麻谷洞795-5 ※地下鉄5号線「鉢山」駅2番出入口から徒歩4分
11:00~24:00 無休

鄭銀淑:ソウル在住の紀行作家&取材コーディネーター。味と情が両立している食堂や酒場を求め、韓国全土を歩いている。日本からの旅行者の飲み歩きに同行する「ソウル大衆酒場めぐり」を主宰。著書に『美味しい韓国 ほろ酔い紀行』『釜山の人情食堂』『韓国酒場紀行』『マッコルリの旅』など。株式会社キーワード所属。