どんなものでも人の努力の結晶
――本作は、シチュエーションとしては夢があると言うか、現実だとなかなかしないような少々デフォルメされたシーンもありますよね。
確かにそれはありますが、基本的には瀬戸山はすごく人間味に溢れていますし、僕はリアルに、等身大で演じられた感覚があります。そういうシーンに関しても、瀬戸山が希美に対してどんな想いを持っていて、どうしたいのかを考えつつ、この作品として届けたいところも合わせて演じました。
――「自分ならやらないな」とか、そういう客観的な視点が出てきてしまうことは?
それはないです。そこは今回に限らずどんな役をやっていてもそうです。人を殺すこともありますから(苦笑)。ただその役として何を残せるだろうか、ということを客観的に考えることはあります。
――瀬戸山と希美にとってのマキシマム ザ ホルモンのような、これを好きと思う人のことは好きになれるというような作品やアイテムなどはありますか。
……思いつかない(笑)。ただ僕は料理が好きなので、料理好きな人だったら一緒に勉強したりもできるし、いいなとは思います。自分が好きなことは全部一緒にやりたいので。
――例えば、相手から自分が苦手かな?と思うような作品を勧められたときはどうしますか。
単純に(相手は)これが好きなんだなと思いますし、僕は自分が作品の作り手側に回っている以上、どんなものでも人の努力の結晶だと思うので、もちろん好みはありますが、面白い・つまらないだけで判断することはないです。
もしそれを好きという人がいるなら、僕もその作品の魅力を理解できるようになりたいし、似たような作品を観てみるとか、他にお勧めがないか聞いたりとか、そういうふうにして向き合っていくと思います。
役が好きになるものを好きになりたいと思う精神と一緒で、それによってどんどん自分が好きなものも増えています。
――瀬戸山を通してサッカーが好きになったとおっしゃっていましたが、今後、役を通して好きになれたらいいなと思うものはありますか。
陶芸。前から自分が作った食器で定食を作れるようになりたいと思っていて。それはなかなかプライベートでやるのは難しそうなので、役を通してやってみたいです。