日々のすべてを役のために使っている

撮影/コザイリサ

――今、次々と出演作が決まっていき、同時に別の役を演じていることもあると思いますが、切り替えはどのようにしていますか。現場に入って衣装を着ると切り替わるとかもありますか。

それは大いにあります。ヘアメイクもそうですし、共演者の皆さんもそうですし、現場の環境のおかげで一気にその作品の中に引っ張られます。なので、役が重なっている場合でも、現場に入ってしまえば何の問題もないです。

ただ、作品に入っているときは現場以外でも常に役のことを考えていて、次の日のこととか、何を残せるかとか、日々のすべてを役のために使っているので、同時に二つの役のことを考えていることもあります。

役にとって好きなものや得意なものを、僕自身もその期間は好きになろうとしますし。今回で言うと、瀬戸山はサッカーとマキシマム ザ ホルモンが好きなので、毎日サッカーはやっていましたし、ホルモンも聴いていました。そういう風に自分を無くして役に寄せていくんです。

もしその役がベランダでコーヒーを飲むのが好きだったら、僕の日々もそういうふうに合わせますし、自然に触れるのが好きだったら、僕もそうしまするし。それは休みの日でもやりますし、できるだけ役が興味のあることをしていたいんです。

撮影/コザイリサ

――それだけ役に没頭していると、自分自身がどこかにいってしまうような感覚になりませんか。

なりますね。どんどん自分の時間がなくなっていくので、いざ休みの日に何かをしようと思っても思い浮かばずに家でボーっと過ごすこともあります。それで、夜になるともう台本を読み始めてみたいな。でも、場所を変えて実家に帰ったりすると、そこでは台本は全く読まないので、そういうふうにして切り替えることもします。

ただそれがストレスには全然なっていなくて。むしろ作品がない方が何をしたらいいかわからなくなってストレスなので、役が続いてる状況は自分にとってはうれしいことなんです。


インタビューでは質問に対して、率直に思ったことを答えてくださった高橋さん。瀬戸山との共通点で「相手のために自分が思ったことを伝える」ともおっしゃっていましたが、素敵な心構えだなと感じました。

調理師免許も取得していて、料理好きとして知られる高橋さんに、最近気になっている料理家の方がいるかを尋ねてみると、料理家ではなく「魚の種類とか釣りの動画とかを見ています」とのお返事が。素材のほうにご興味があることを教えてくださいました。

作品紹介

映画『交換ウソ日記』
2023年7月7日(金)より全国公開