音楽劇『精霊の守り人』より、タンダ役:村井良大 撮影/曳野若菜

タンダも、バルサとの強い絆がある一方で切ない思いを抱え、複雑な内面を表現。観客をほっとさせるような笑いどころも担い、村井が土の匂いがするような存在感を発揮しながら芝居をしっかり支えていた。

この辺りは、ダブルキャストの梅田・山崎はまた違う持ち味を発揮して楽しませてくれそうだ。

ほかのキャストも、それぞれの役どころを忠実に果たして好印象。帝(唐橋充)の悠然としつつも底知れぬ様子、理性的に事態の解明にあたろうとする星読博士シュガ(水石亜飛夢)の姿も、大きな役割を果たしている。

音楽劇『精霊の守り人』より 撮影/曳野若菜

雛形は、端正な美しさをもつ二ノ妃と、トロガイのおばあさんっぷりとのギャップの大きさが目を引く。トロガイではコメディエンヌぶりも十二分に発揮、力量を見せつけた。

音楽劇『精霊の守り人』より、二ノ妃を演じる雛形あきこ(右) 撮影/曳野若菜

帝の命でチャグムを追う狩人たち(渡部秀、小野塚勇人、健人)は、バルサとの戦いやクライマックスでの戦いなどでパワフルに立ち回りを展開。観客を時にワクワクさせ、またある時にはハラハラさせて、エンタテインメント性を高めることに大きく貢献している。