――巻末の、「不登校の子を持つ親御さん300人の本音」で「当事者以外に知ってほしいこと」という質問がありましたが、じんこさん自身は何か思うところはありますか?
今じんこ:「死ぬくらいなら学校に行かなくてもいいよ」という大人は多いけど、死が見えてくるギリギリまで「不登校を大人が認めない」ことの暴力を知ってほしい。
そこまで追い詰められて苦しんでいる子どもの多さや、深く傷つき苦しんでからだと回復に何年もかかることを知ってほしい。
子どもたちの自殺が年々増えている異常さを知ってほしい。
そもそも学校は死と天秤にかけるモノではないと知ってほしい。
たくさん思うことはありますが、一番に伝える必要を感じているのはそこです。
――じんこさんなりの育児中の息の抜き方やリフレッシュ法などあれば、伺いたいです。
今じんこ:疲れているときは、無言で不機嫌な態度を取るくらいなら「今少し調子が悪いから休ませて」と家族に宣言してだらだらします。漫画やゲームやドラマを機嫌よく楽しんでる母を見るのは子どもたちもうれしいみたいです。
子どもを尊重するなら自分が犠牲になるしかないと無自覚に思っていましたが、子どもを尊重することと自分を尊重することは両立できることを今は知りました。
――子どもの不登校や行き渋りに悩んだり、子育てに悩んで閉そく感を感じている親御さんたちにメッセージをお願いします。
今じんこ:私から偉そうに言えることは何もないですが、本を読んでくださった方から「肩の力が抜けた」と言っていただけることが多いので、ぜひお手に取ってもらえるとうれしいです。
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本書では、親子で「これでいいんだ」とストンと腹落ちして心から笑って“学校に行かない”日々を過ごせるようになるまでの長い日々を、本当に丁寧に漫画化しています。
子どもの不登校や行き渋りで悩む方はもちろん、正解のない育児で子どもへの寄り添い方に迷う方も、きっと共感したり励まされたりするはず。「学校がしんどい」と悩む親子がいなくなる未来への願いを込めた一冊を、ぜひ読んでみてくださいね。