女性の金融リテラシーを上げていくことが、女性のウェルビーングを加速させる

同イベントでは、平野さんの発表に続き、朝日広告社の浅野優子さん(リサーチャー、プランナー)が登壇。

同社では、サステナブルな社会実現のために、「一人一人の“よりよく生きる”を考える」をテーマに企業支援を推進する「サスティナラボ」を設立し、2021年からは「ウェルビーイングに関する生活者調査」を実施しています。

今回の発表では、2022年11月に行われた「第2回ウェルビーイング調査」の結果を元に男女の幸福度、自己肯定感の違いについて語りました。

調査の中で、「あなたの普段の生活は幸せだと思いますか」という問いに対し、幸福度が高いと回答したのは男女共70代で、どちらも79%台という結果に。

一方、男性30~50代、女性40〜50代の幸福度は低い傾向にあります。その要因として、この年代はプライベートや仕事面での変化が激しいことが挙げられました。

業務の責任の重さがあるほか、金銭面では教育費や住宅ローンの支払いに追われる時期でもあることが幸福度に影響を与えていると分析されています。

また、男女ともに指標が低かったのは、「将来のキャリアビジョンが描けているか」という点で、いずれも50歳代が低い傾向にありました。

「60歳以降の生き方や働き方について迷っているのではないか」と浅野さんは言います。さらに「貯蓄や投資についての知識がある」という質問に対して、男性よりも女性の方がかなり低いという結果になりました。

これを受けて浅野さんは「女性の金融リテラシーを上げていくことが女性のウェルビーングを上げていくことに繋がっていくのではないか」と考察した。

また、「友人がいる」「家庭以外で接している人がいる」「身近に気軽に話せる人がいる」「困った時に相談できる人がいる」といった4指標では、男女差がかなり出て、男性の充足度がかなり低いという結果になっています。

「特に30歳代から70歳代の男性が人間関係が希薄であるようです。男性は家庭以外で接する人を増やすことが幸福度の向上につながるかもしれません」。

働く場所、働く時間を自分で選び、心身ともに健康で自分のやりたいことができる。働くの対義語に休むがあるだけの生活だけではなく、自分の人生のあり方を考えて生きる時代を目指すことがウェルビーングが示す働き方なのかもしれませんね。