スター性を持っているのに、すごく役に溶け込んでいる

撮影/稲澤朝博

――井之脇さん、柳さんは川西さんを見ていて、「清澄っぽい」と感じるところはありましたか。

井之脇:清澄が海辺で一人で音を出しているというシーンがあるんですけど、その撮影が僕の初日で。「川西さん、どこに居るんだろう?」と探していたら、現場の端っこのほうで一人で音を出していたんです。

その姿が本当に清澄っぽくて。普段、あれだけのスター性を持っているのに、すごく役に溶け込んでいる感じがしました。他にも、普段からご本人も音楽を作っているだけあって、音楽と向き合っている姿は清澄とリンクする瞬間が多かったです。

柳:本人も本当に音楽が好きなんだなって。撮影以外の時間もずっと楽器を触っているし。もちろん練習もしていましたけど、普通に遊んでいることもあって。パッドをいじったり、僕のベースを「ちょっと貸してください」って言って、やってみたりしていましたね。

撮影/稲澤朝博

――ちなみに井之脇さん、柳さんは再共演となりますが、決まったときはどう思いましたか。 (2021年配信の共演したドラマ『ギヴン』に続いて)「柳さん、またベースだな」とか。

柳:「またベースだな」は確かにある(笑)。

井之脇:ありましたね(笑)。

柳:僕は「海くん、今回は(楽器を)やらないんだ。いいな」って思ったけど。

井之脇:あははは(笑)。僕はまたベースを弾いている柳くんを見れるのかって思って、個人的に楽しみにしていました。前に共演したのが3年前くらいだったから、単純に上達した柳さんのベースを見れたのはうれしかったです。

前(『ギヴン』)の時も一生懸命やっていたとは思うんですけど、さらにうまくなっていて。もともとベーシスト的オーラを持たれているうえに技術も相まって、本物のベーシストに見えました。

撮影/稲澤朝博

――かなり練習はされたのですか。

柳:ベーシストの陸が、指もついていけてないようだったら、説得力がないじゃないですか。この映画をぶち壊してしまうと思ったので、そこは練習を結構しました。前回からベースには触っていなかったので、やっとけば良かったと少し後悔しましたけど(苦笑)。本当に初心者みたいな状態だったので。

――そうは思えないくらい演奏シーンはリアリティがありました。

柳:楽器をやっている人から、観たあとに「(実際に)弾いてたでしょう?」と言っていただけたので、それはうれしかったです。