アイコンタクトでお互いの気持ちが通じているのを感じ合う瞬間もありました

撮影/稲澤朝博

――演奏シーンの撮影はどうでしたか。

柳:音で通じ合うというのがテーマでもあるので、演奏シーンはアイコンタクトでお互いの気持ちが通じているのを感じ合う瞬間もありました。

ドラムの岬役の円井(わん)さんも含めた3人での撮影のときは、円井さんがとにかくストイックにやっていて。もともとドラムの経験があるからうまいんですけど、それでもちょっとでもズレると、ドラムって目立つんですよね。

「もう一回」ってやっているときは、本気で「頑張って」って応援していたし、OKが出たときには、僕らも「よっしゃー!」みたいな(笑)。音楽ものならではのチーム感みたいなものもありました。

川西:僕は演奏しながら、歌を歌いながら、その上でお芝居もするということだったので、どれかだけに意識が集中することがないように、何回も練習をしました。

あと、柳さんもおっしゃっていましたが、弾いているときに陸さんと目が合うシーンは、本当に「ライブしてるな!」っていう感覚になって興奮したし、すごく楽しくなっていました。

柳:結構、目は合ってたよね?

川西:ずっと合ってました(笑)。

柳:自然と合っちゃいましたね(笑)。

川西:あと、急に海くんがドラムを叩き出して、「できるやん! 一番うまいやん!」みたいなこともありました。

井之脇:前の時(『ギヴン』)、ドラムやってて。

柳:海くんは昔から音楽をやっているから、飲み込みも早いんだよ。前の時も一人だけすごかったもん。

井之脇:(照笑)。

撮影/稲澤朝博

――井之脇さんは今回、演奏シーンを観ている立場でしたが。

井之脇:ちょっとしたジェラシーのようなものを感じました(笑)。僕以外の人たちで音を奏でているシーンがあると、最初のころは自分も入りたいと思っていました。でも、最後のライブシーンを撮っていたときは、いい意味で入る余地がないというか。

円井さんを含めた3人で、言葉ではない、音楽を通しての会話ができているのが、外から見ていて感じ取れたので、純粋にライブを観ている感覚になりました。現場で、1ヶ月ぐらいの間一緒に過ごしている中で、そうやって人が音楽を通して繋がっていく様を見れたのはすごく楽しかったです。