自分の価値観だけで何かを決めたり、押し付けたりしない

撮影/稲澤朝博

――本作は夫婦の間でお互いに向き合い続けるということが一つのテーマとなっています。THE RAMPAGEというチームの中で、吉野さんがメンバーと向き合う上で大切にしていることは何ですか。

人は人、自分は自分ってことですね。他人だから理解できないって諦める後ろ向きな意味ではなくて、自分の価値観だけで何かを決めたり、押し付けたりしないようにするということです。

自分の意見として伝えることはしますけど、自分が常に正しいかと言われたら、そうではないと思うので。チームである以上、全体を見ることは意識しています。

一人で活動しているんだったら自分を優先してもいいのかもしれないですけど、僕がしていることはグループ活動も、個人でやらせてもらっているお仕事も、いろんな人たちが関わってできているものなので、それぞれの生き方や、やり方は尊重したいと思っています。

「自分はこう思うんだけどな」って思うことでも、「この人はこう考えるんだな」って受け入れて、固定概念にとらわれないようにしています。

――自分の考えと違ったときはどんなふうに折り合いをつけるのですか。

どうしても納得がいかないとか、違うんじゃないかって思うことがあったら、まずは全体に言う前に、誰か一人に相談をしてみます。そこで話してみて、徐々に広げていくというか。例えば、話を整理して伝えるのが上手い人からみんなに話してもらったり。いろんな手段は使ってみます。

撮影/稲澤朝博

――人と向き合っていくって難しいことも多いですよね。

自分だけでなく、ちゃんと相手の気持ちも理解することは大事だなって思います。「何でこうしてくれないの?」って押し付けるんじゃなく、その人はその人で本当にわからないだけかもしれないし。

難しいんですけど……やっぱり一度、相手の気持ちになって考えるってことは大事ですよね。だから僕は優しくありたいなって思います。もちろん優しくすることがすべてにおいていい方法だとは思っていないですけど、僕自身、一方的に自分の考えを押し付けてくる人が苦手なので、僕は優しくいようって思います。

――このドラマはそういう人との向き合い方について改めて考えさせられるところも多かったです。

「親しき中にも礼儀あり」じゃないですけど、距離が近くなるがゆえに、ポロっと言ってしまった言葉が意外と相手を傷つけていたり。自分はそう思っていなくても、相手は深く感じてしまったりするんだなって、改めて僕も思いました。

だからこそ、夫婦といえども相手の気持ちになって、お互いの気持ちを理解して向き合っていくことは大事なんだって。近くなれば難しくなるのもわかるんですけど、近いからこそ大切にすべきだと思いました。