当たり前のことを、当たり前と思わないように
©2026 藤まる/双葉社・「時給三〇〇円の死神」製作委員会
――未練を残した死者たちに与えられる、ロスタイムという設定についてはどう思いましたか。
僕らがよく想像する幽霊とは違うというか、現実に生きていて、誰でも見えるし、接することができるけど、その人が成仏したときに、生きている人間からはその人の記憶がなくなるというもので。ファンタジーだし、面白い設定だなと思いました。
ただ、ロスタイム中の人たちは、その場では笑顔を見せていたとしても、未練があるからこそ、ロスタイムを過ごしているので、辛いだろうなと思います。しかも、未練が大きいからこそ、(現世に)残ってしまっているわけだから、それを晴らすというのも難しいことだろうし。生きさせられているというか、残酷な時間でもありますよね。
――佐倉はそういう未練を残した人たち寄り添うという役どころでしたが、感情が引っ張られるようなこともありましたか。
ありました。それぞれの登場人物たちは違った未練を持っているんですけど、共通するのが、愛や家族で、そこがすごく濃く描かれているからこそ、引っ張られました。シリアスなシーンも多いですし、胸が締め付けられる想いはずっとありました。
©2026 藤まる/双葉社・「時給三〇〇円の死神」製作委員会
――ご自身の大事な人との関係性と重ねることもありましたか。
僕はありがたいことに、ほんまにいい家族に恵まれましたし、周りにもすごく恵まれているので、もし今、僕が亡くなってしまったとしても、この物語に出てくる死者の人たちが思うような未練があるかと言われたら、ない気がします。
なので、改めて、今、家族が生きていることとか、当たり前のことを、当たり前と思わないようにしようと思いました。僕が上京して、家族とは大阪と東京とで離れてしまっているんですけど、大阪から来てくれたり、僕が大阪に行ったときは、よりありがとうの言葉は伝えるようになったと思います。
実家で一緒に暮らしているときには言えなかった、離れてみて言えるようなこともあったりするので、そういうことをより大事にしたいと思える作品になりました。




























