特殊で、特別で、不思議な関係性

©2026 藤まる/双葉社・「時給三〇〇円の死神」製作委員会

――福本莉子さんとはどのように佐倉と花森の関係性を作っていきましたか。

同じ関西出身ということもあって、それだけで勝手に親近感を感じていました。台本の読み合わせのときに初めてお会いしたんですけど、渋谷凪咲さん(朝月静香役)もいて、関西人しかおらん、みたいな感じで(笑)。福本さんが、セリフのイントネーションが関西弁になってしまって、笑い合ったり。そういう始まりだったのが、すごく良かったなと感じています。

あとは、うちのメンバーも何人か共演しているから、どういう人なのか話も聞いていたので、僕は結構、リラックスした状態で臨めました。

役としての関係性を作り上げていく上でも、すごく頼もしかったです。僕より若いのに、どっしりと構えていて。この作品のプロモーションをしているときに、福本さんが僕のことを「どっしりしている」ってよく言ってくださるんですけど、僕からしたら、福本さんのほうが「どんとこい!」みたいな強さを感じました。けど、その強さの中に、繊細さも垣間見えていました。

現場でもよく福本さんが話してくれるから、僕はそれを「うん、うん」と聞いていて、福本さんが率先して、佐倉くんと花森さんの関係性に近づけてくれたんだと思います。

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――佐倉と花森の関係性は相棒であり、アルバイトの先輩・後輩であり、少しお互いに好意も混じり合っているような、不思議な関係性だと感じたのですが、西畑さんはどのように捉えていましたか。

そこは難しかったですね。僕は恋愛関係ではないとは思ったんですけど、そういう気持ちが一切ないかと言われると、微妙だし。特殊で、特別で、不思議な関係性だと思います。死神のバイトというもので結ばれた絆のようなものはあるから、バディというか、同志というか、そういう存在だと思います。

花森さんが抱えているある事情があって、もしそれがなかったかとしたら、恋愛関係だったかもしれないとは思います。佐倉くんは花森さんのことが好きだと思うし。天真爛漫で、自分の窮地を救ってくれた人でもあって。ただ、実際にはそうならずに、恋愛とは違った不思議な、そして、儚い関係性だなと思いました。

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――福本さんとの印象に残るエピソードはありますか。

自分が好きないろんな映画の話をしてくれて。それをホンマに観たくなる感じで話すんです。めっちゃ面白そうやなって思って、「どういう話なん?」って聞いたら、ちょうど観たくなるタイミングで話を終わらせてくるんですよ。それは観ちゃいますよね(笑)。『ジョー・ブラックをよろしく』という死神が出てくる映画とか、3作品ぐらい教えてもらいました。

1本観て、その感想を伝えると、また新しい作品の話をしてくれて、それをまたいいところで終えるから、また観て、というのを繰り返していました。観たことない作品でしたし、たぶん、紹介してもらえなかったら、自分から観ることはないかも?という作品で、映画を観ている時間が、僕にはちょうどいい息抜きにもなっていたんです。結構、タイトなスケジュールで撮っていたので、いい息抜きの提案もしてもらえました。