脚がむくみやすいのはなぜ?

リンパ管は、自動運動機能と筋肉の動きだけでリンパ液を送っていますので、脚のリンパは重力に逆らって流れるには自動運動機能だけでは力足らずで、筋力任せになってしまいます。だから、筋力が少ないと重力に負けて、リンパが滞りやすいのです。

とくに、立ち仕事やデスクワークの人は、膝下を動かさない状態で長時間同じ姿勢でいるので、筋肉の助けを得られずに重力に従って、リンパ液は下の方にたまってしまいます。だからむくみやすいのです。

一方、同じ立ち仕事でも、1日歩きまわっている人は、脚や臀部の筋肉が鍛えられ、筋肉の動きも手伝って、リンパ液がスムーズに送られます。

立ち仕事やデスクワークの人は、運動しにくい状況下に長時間拘束されていることでしょうが、こっそりと脚のつま先を上げ下げして下肢の筋肉を頻繁に動かすように心掛けてみてください。それだけでもむくみ解消効果はあります。

このように、脚の筋力不足がむくみを引き起こすことを頭の隅に置いて生活し、少しでも暇があったら脚を動かしましょう。むくみ解消効果だけでなく、適度な筋力が付いて、少しずつですが、引き締まった脚にも近づけます。

 リンパの流れが悪くなる外的要因もある

リンパの流れが悪くなる原因は、筋肉不足だけではありません。外的要因もあります。

冷えがリンパの流れを悪くする理由

常に冷房のガンガン利いた部屋にいることの多い人と、冷えに悩まされやすい環境に身を置いていることになります。

寒すぎる状況に長くいると、身体が冷え切ってしまいます。そうなると人の身体は、内臓の冷えを防ぐために、血液は内臓に集中し、体表に届きにくくなります。それだけでなく、体表に近い毛細血管は寒さで収縮してしまい、一層血行が悪くなります。

体温を温めているのは血液ですから、血行が悪くなると一層身体が冷えてしまうのです。

また、人の身体は冷えを感じると、筋肉が収縮して身体に力が入り、交感神経も活発になってしまいます。つまり、交感神経が活発になることで平滑筋が収縮し、血管・リンパ管もそれに圧迫されて収縮してしまいます。だから冷えは、血流・リンパの流れを悪くしてしまうのです。

血液の流れと同じように、身体の深部のリンパの流れは維持できていますが、体表に近い部分のリンパの流れが滞ってしまいます。もちろん、リンパ液は水分が多いので、むくみが冷えを一層助長する結果になるのです。

 ストレスもリンパに悪影響?

自律神経は非常にデリケートです。少しのストレスでも継続すると自律神経のバランスに悪影響を与えてしまいます。

だから、ストレスは自律神経に支配されている平滑筋にも悪影響を与えます。血管やリンパ管は平滑筋によって伸縮しているので、ストレスは、血液やリンパの流れも悪くしてしまうのです。