私は性格的に想いを告げないでいることはできない
――岡崎さんが木帆ちゃんの立場だったらどうします? まず、貼紙はしますか?
「貼紙は、私、貼ると思います。私たちがこの場所にいたという歴史はなくなって欲しくないし、覚えていて欲しいから貼るような気がします」
――それでは、旅立つ前に想いを告げるか否かについては?
「そこは私もすごく悩むと思います。確かに、言うだけ言っていなくなっちゃうのは自分のことしか考えていない行為だけど、まあ、遠距離恋愛ができないわけでもないし、私は性格的に言わないでいるということはできない。
だから、たぶん勢いで言っちゃうと思います」
――やっぱり、伝えるべきことは伝えるという考え方なんですね。
「伝えて、ちゃんと燃焼させてから次の行動に移りたいんですよね」
ともさかりえが演じた、主婦の麻里子は面白かった
――『mellow』(メロウ)には木帆ちゃん以外にも片想いをしている女性がいっぱい登場しますが、共感できる人はほかにいましたか?
「ともさかりえさんが演じられた主婦の麻里子さんは面白かったですね(笑)。
夏目さんに片想いをして、そのことを旦那さんに正直に告げる彼女の思考や行動はちょっと“えっ、嘘?”ってなるけれど、別に悪気があるわけじゃないし、ただ自分の真っ直ぐな想いを伝えているだけ。
ちょっと新しい考え方が舞い降りてきたな~という感じがしました」
若さからくる衝動はとてもリアル
――ふたりの女子中学生の恋についてはどう思いました?
「学生のころは先生やお兄さんにちょっと惹かれたりするので、彼女たちの気持ちはすごくよく分かりました。
私も女子高に通っていた時期があるので、いちばん共感したかもしれないです。
女子高にいると、自立して凛とした先輩がカッコよく見えるんですよ。
だから宏美(志田彩良)ちゃんのことが好きな陽子(松木エレナ)ちゃんの気持ちもすごく分かるし、夏目さんに自分の想いを伝えて『答えはいらないです。好きだって言われたら怖いし』って言う宏美ちゃんの求め過ぎないスタンスもすごく理解できました。
あの“私が好きだった”ということをとにかく伝えたい!っていう、若さからくる衝動はとてもリアルだと思います」
――でも、それを脚本に書いたのが、男性の今泉監督というのが驚きです。
「本当にそうですよね。女性の細やかな心の動きがよく分かるな~と思います」