はい!

--AKB48の頃の歌を歌うのは久しぶりだったと思うのですが、当時と今とでは、楽曲に対する思いなどに変化はありましたか?

うーん…、セットリストの中の半分ぐらいは、お互いが初めて歌う曲だったんです。

1曲目の『抱きしめられたら』という曲も、私は聞いたことはあったけど、歌ったのは今回が初めてだったり、2曲目で歌った『ごめんね ジュエル』も、私のユニット曲だったから、ともは初めて歌ったりとか。

敢えてそういうことにチャレンジできる機会でもあると思ったので、すごく新鮮でした。なので、“昔はこうだったなぁ”って感じるのではなくて、今の自分たちが出せる実力と、出せる雰囲気を大切に歌えたんじゃないかな。

あと、振り付けがあるかないかで、歌に込める思いはちょっと変わってきたりするんです。今回、振りは特に作っていなかったので、“こういう歌詞だったんだ”って、歌いながら改めて感じるものはいっぱいありました。

--佐江ちゃんの卒業コンサートでも歌われた『掌(てのひら)』に、今回もグッときました。

本当ですか? ありがとうございます。

『掌(てのひら)』は、“会えないけど繋がっているからね”って、強調している曲だと思っているんです。自分の卒業コンサートで歌った曲でもあったんですが、この曲を改めて、ともと一緒に歌いたいと思って選曲しました。(第152回)

歌詞も自分たちで書いて、後ろのスクリーンに映してもらったりして、演出にもちょっと凝ってみたんです。

3曲目の『ぎゅっと!』という楽曲は、ともが「河西智美」としてソロで出しているCDの曲なんです。過去に私が歌ったことはなくて、まさに、このライブのために初めて触れた曲でもあって。

『ぎゅっと!』は、握手会のことを思ったり、恋人と手を繋いだりする気持ちを込めて作った歌のようなので、ともの曲をいろいろ聴いた中から、この歌詞が今の時期にピッタリなんじゃないかと思ったんです。

『掌(てのひら)』の歌もそうですが、「会えないけど、ぎゅっと繋がっているからね」っていう意味を込めて歌わせてもらいました。

--今回歌った楽曲を通して、この歌詞にグッとくるというのはありますか?

特に、みたいなのはないかなぁ。

でも、ふたりで“秋元先生って、本当にすごいなぁ”って言ってました。もちろん前からそう思っていたけど、自分たちのいる場所が変わっても、ちゃんとマッチする歌詞だというのが、すごいと思うんです。

なんかね、当時「掌(てのひら)」を歌っていたときは、 さえも、ともも、お互いアイドルで、ファンの人に向けて歌っていた楽曲だったんです。

だけど今回は、もちろん見てくださっているファンの人への思いもあったけど、私は、特別な友人にも繋がる歌だなと思ったし、時が変わっても、ちゃんとその時々の環境とか、情景を対象にして響く楽曲だなぁって、すごく感じました。

『約束よ』も、卒業コンサートで歌った大好きな曲で。

当時は、「今会えているけど、また会おうね」っていう「約束よ」だったけど。今は、「会えなくなっちゃってるけど、必ずまた会おうね」っていう「約束よ」になっていて。そうなると、気持ちの入り方もちょっと違います。

こんな環境だからこそ、「約束」っていう言葉が、より心に響いたりするんだろうなって、すごく感じました。

--さえとものパフォーマンスに、心がジンワリと温かくなったし、勇気をもらえたライブでした。それに、河西さんの歌声も初めてじっくり聞かせていただけて、心のひだにしみる素敵な歌声ですね。

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