悩んでいた時期もあったが、今は楽しくてしょうがない
先代のぶりぶりざえもん役の塩沢兼人氏が2000年に他界。その後16年間、ぶりぶりざえもんに声が与えられることはなかった。そして、神谷が引き継いで、4年経つ。
「最初に任せていただいた時は、プレッシャーが大きかったですね。16年間ひとことも喋らなかったキャラクターを、どう演じたらいいんだろう?
弊社(青二プロダクション)の大先輩である塩沢兼人さんが担っていた役を、僕に任せていただけたのはありがたいけれど、どうアプローチしたらいいんだろう? と悩んでいた時期もありました。
ただ、TVシリーズのムトウユージ監督が“君の好きにやればいいよ”と、背中を押してくれたんです。
それに僕が卑屈になっているよりは、先代のぶりぶりざえもんを大切にしながらも、今の『しんちゃん』を観ている子供たちに向けて、楽しいものを全力で提供しなきゃなって思うようになりました。そういうこともあって、今は演じていて楽しくてしょうがないですね。」
ぶりぶりざえもんは、彼のキャリアにとって、どんな存在なのだろうか?
「ぶりぶりざえもんの役をいただいたのは約4年前です。20年くらい声優を続けてきた結果というか。この役の前に『よんでますよ、アザゼルさん。』のベルゼブブ優一(※2011年・2013年放送のTVアニメ。魔界では美青年だが、現実世界ではペンギンのような姿の悪魔)というキャラクターをやっていたんですけど、その現場で水島努監督から“ベルゼブブ優一は、僕の中でぶりぶりざえもんなんです”と言われたことがありました。
見た目通りのコミカルな芝居ではなく、まったく違う演技をする。それもある意味では、今のぶりぶりざえもんにつながっているように思います。
そんなふうにこの仕事を続けてきたからこそ、巡り会えたキャラクターなんですよね。今後、しんちゃんという作品が続いていった場合、兼人さんのキャリアを超えることになる。これは自分にとってはすごいことなんです。
なので、胸を張って兼人さんが作ったキャラクターを引き継いで、“今でもやってますよ”と伝えていきたいな。そんな、いろんな想いが詰まってますね」
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