成長した或人とリセットされたイズそれぞれのキャラクターの変化とは
── それと、テレビシリーズを観ていた方には滅や迅など、本編で敵対していたキャラクターたちとの関係性に変化が生じていることも見どころですよね。
高橋 変わりましたねえ。「滅がこんなこと言うのか!」みたいな、そういうのはありますよね。
鶴嶋 私は(不破)諫に対して、本編では「ゴリラですか?」とか言ってみたり「社長出勤ですか?」と厳しめだったところも、映画ではキョトンとしていて。諫にガツガツ言い寄られていると、滅が「それは前のイズじゃないから」みたいな感じで返すんですよね。それこそ以前のイズは或人以外に対して辛辣な面があったので、そういうことが言えないのは寂しいなと思いました。
“アルトじゃないと”を一緒にしないのもそうですけど、AIらしいラーニングをしていって、周りに対してだいぶ慣れていろいろ突っ込むようになってきたのに、それを使うというのもしなくなっちゃったので、そこの関係性も結構変わりましたし。
── 鶴嶋さんはそんなリセットされたイズの他に、アズという敵役も演じています。イズとアズを演じ分ける上で、今回はどういうことを意識しましたか?
鶴嶋 イズとアズって本当に真逆でかけ離れているので、演じ分けるのに大変さはまったくなかったんですけど、イズに関しては初心に帰った、新しい気持ちでやることを意識して、一方でアズは自分とアーク様以外は全員下に見るくらいの気持ちでやっていました。今回は衣装も変わったので、それも相まって気持ち的にはだいぶ変化がつけられたんじゃないかな。
高橋 大事だよね、衣装って。
鶴嶋 うん。特にアズの場合は髪も長いですし。滅と話すときも「まあ私は全部知ってるけど」みたいに情報を小出しにして教えたりと、翻弄する感じが楽しかったですね。
── 或人に関しては先ほど高橋さんがおっしゃったように、今回は強さや頼もしさが増していて、成長を強く感じられます。特に終盤にかけての動きには、第1話の或人とは完全に別人だなと思わされました。
高橋 或人の成長スピードって異常なくらい速いんですよね。それこそ「お前がラーニングして俺を上回るなら、またそれを超えてみせる!」というセリフがあるんですけど、自分の学習能力やポテンシャルを理解しているからこそ言えるセリフだなと思って。そこに至るまではいろんな苦労もあっただろうし、見たくないものも見てきたと思うんです。だからこそ、空白の3カ月間に何があったのかというのをすごく大切にして演じました。
── 結果、その3カ月が人としての成長をより促したと。
高橋 本当にそうですね。だから、演じながら思いましたもん、「カッコよくなったなあ。こんなセリフ、今まで言ったことなかったよ」って。映画では大人になってひと皮剥けた或人が見られると思いますよ。
── 今回の劇場版はテレビシリーズから1年以上かけて演じてきた或人とイズの集大成でもあるのかなと思います。劇場版公開を前におふたりは今、或人とイズにどんな言葉をかけてあげたいですか?
高橋 僕はもう、これからもイズを守ってほしいなと思いますね。もう何があっても折れないだろうし、後悔のないようにイズのことも、イズ以外のことも守り続けられる本当のヒーローであってほしいと伝えたいです。
鶴嶋 私は常に或人社長をサポートしていてほしいなっていうのが、一番伝えたいことかな。欲を言うと、またいつか“アルトじゃないと”をやってあげてねって言いたいですね。
高橋 今頃、どこかでふたりしてやっているかもしれないよ?
鶴嶋 確かに。いつかその姿も観てみたいな。
高橋 さらに成長したふたりの姿を、何らかの形で描いてもらう機会があったらうれしいですね。
『劇場版 仮面ライダーゼロワン REAL×TIME』『劇場短編 仮面ライダーセイバー 不死鳥の剣士と破滅の本』
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