驚きの構成に引き込まれ続ける

写真提供:DDTプロレスリング

さて、観戦し始めて1時間半くらい経った頃でしょうか。事態は思わぬ方向へと転がり始めます。「えっ、こんな展開ある!?」と、率直にぶったまげました。

DDTではお馴染みの覆面レスラー、スーパー・ササダンゴ・マシン選手が、「プロレス団体が主催するフェスがだいたい失敗する理由」というパワポを投影しながらプレゼンを行い、「ひらがなまっするフェス2021」はそこから仕切り直し(!)となります。

「なんてぶっ飛んだ構成なんだろう、すごい」と、ただひたすら驚くしかありません。残りの時間、「オープニングアクト」「2ndアクト」「3rdアクト」「メインアクト」の4部構成で展開するというのです。

オープニングアクトでは、格闘家の青木真也選手が登場。

簡単に言うと「痛い」と口にしたら負けというルールの下、芸人のみなみかわさんと「ミックスト・システマ・マーシャル・アーツ・ルール対決」の戦いを繰り広げます。

写真提供:DDTプロレスリング

2ndアクトでは漫才対決が行われます。渡瀬瑞基・納谷幸男組の「てのりタイホー」は、DDTがプロレス指導をしている、今期放送のドラマ『俺の家の話』にかけた内容の漫才。

プロレスラーには喋りが面白い人も多いけれど、プロレスも漫才もできるの!? と、ここでもキュンとなったのでした。

写真提供:DDTプロレスリング

3rdアクトではフリースタイル・マイクパフォーマンス対決として、必殺技男子とパイプイス男子5名ずつが、ラップバトルを行います。

各チーム1名ずつがラップを披露した後、どちらが良かったかを会場の観客に聞き、観客の拍手が多い方が勝ち、となりました。

写真提供:DDTプロレスリング

メインアクトではRAMさんがラムライダスティ・ローデスとして登場。父であるホンダスティ・ローデスとタッグを組んで戦います。

ミュージシャンであり、まっするの音楽監督を務めるRAM RIDERさんのプロレスを見られるなんて……と、いろいろな意味で衝撃ばかりでした。

笑い、驚き、希望の感情であふれる興行

毎回、ワクワクとドキドキを与えてくれる「まっする」。私は2回目の観戦でしたが、前回以上に「!」と惹きつけられる内容でした。

これからも「まっする」そしてDDTは、さらなる進化を遂げていき、従来のプロレスというものの枠を超えた、新世界を見せ続けてくれるのだと思います。

フリー編集者・ライター。岡山県出身。中央大学法学部卒業後、楽天、リアルワールドを経てフリー編集者/ライターに。関心のあるテーマは女性の生き方や働き方、性、日本の家族制度など。結婚・離婚を一度経験。11月14日に『はたらく人の結婚しない生き方』を発売。