それぞれの個性に合った配役
――ご自身の役のアピールポイントは。また、どなたがどの役を演じるのかということも気になっていた本作。徐々に発表されていくスタイルも観客側は楽しみましたが、皆さんご自身「自分ではこの役だと思っていた」「この役がやりたかった」などがあれば教えてください。
湖月 この物語の女性たちは、家族だからこそ言えない、言いたくない秘め事を抱えています。私の演じるギャビーも、ある大きなことを決行しようと思っていてそれを言えずにいるのですが、りょうちゃん(珠城)演じるピエレットさんとふたりのシーンが、彼女の内面が露わになる山場になると思うので、そこに向けて役を作っていきたいです。
加えて私が嬉しいのは、ふたりの可愛い娘がいるということ! 次女である花乃ちゃんとは今日、初めてお会いしたのですが、すでに自慢の娘になりそうな予感がしています。まあ、配役としては……私は花乃ちゃん演じるカトリーヌではないだろうな、とは思っていました(笑)。
一同 (笑)。
湖月 私がもし宝塚を退団したてだったらピエレット役を演じてみたかったと思うかもしれないです。でも辞めてから月日を重ねて、ギャビーという役を頂いたことはとても光栄に思います。
珠城 ピエレットは、本人というより周りがピエレットのキャラクターについて話していることが多いんです。でもピエレット自身は常に愛を欲していて、自分も愛されたいし誰かを愛したい、愛情というものに囚われている女性なのかなと感じています。
今わたるさんがおっしゃった場面あたりから、自分の秘めていたことや絡まった糸がひょんなことから一気にほどけていって、私自身も映画を見ていた時に「こういう展開なんだ!」と驚いたので、そこは皆さまにも楽しんでいただけるところじゃないかと思います。
演じる役に関しては、私は宝塚を退団したてで、自分が女性役をやるということにもまだ慣れていませんので、どの役をやらせてもらえるのか自分ではまったく想像つかなかったのですが……ただ、私もカトリーヌではないだろうなとは思いました(笑)。
一同 (笑)!
珠城 あとシュゾン(カトリーヌの姉、蘭乃はなが演じる)でもないなとか。そのあたりは自分でもわかっています、わきまえています(笑)。
ほかは、どの役になるのか想像つかず、ピエレットと聞いて自分では驚きました。元ヌードダンサーと言われている、非常にセクシーな女性ですから。映画のファニー・アルダンさんがセクシーにミステリアスに演じていらしたので、そのイメージで頑張っていきたいです!
夢咲 ルイーズは新人メイドなのですが、映画で見た時に、お友だちになりたくないタイプの女性だなと思いました(笑)。
この話は8人の間の心理戦みたいなもので、みんなが隠し事を持っているのですが、ルイーズはずる賢くその切り札をいつ上手く使おうかと思っているようなところがある。おそらく男性に見せる顔と女性に見せる顔も違っていて、傍から見るとあくの強い女性。態度も横柄です。だからこそ演じがいがあるな、面白いなと楽しみにしています。
私自身は最初に「メイドの役です」と言われて、私、シャネル(一家に長く勤め、シュゾンとカトリーヌを育てたメイド。久世星佳が演じる)なの!? とおこがましくも思い、びっくりしたのですが……結果ルイーズで、少し安心しました(笑)。でも決まったキャストを見ると皆さん適材適所ですよね。しかも濃いキャラクターに負けず、皆さん個性的ですから、これは絶対面白いものになると思いました。
花乃 私は映画を拝見して、カトリーヌとお友だちになりたいと思いました(笑)。
一同 (笑)。
花乃 8人の女性が本当に個性的で、役者としてどの役をいただいても本当に嬉しいと思える素敵な作品です。
ただ、映画を私は母と一緒に見たのですが、母がカトリーヌを指して「あなたの小さい頃にそっくり」と言ったんです。たぶん髪型とか、ビジュアルが似ていたのだと思うのですが、自分も親近感がわき、カトリーヌだったらいいなと思っていたので嬉しいです。
お話は、それぞれの秘密が少しずつ見えてきて、どんどん意外な顔が見えてくる。そういえばカトリーヌの意外性ってなんなんだろう……と思った時に、最後にポロっと出てくるところが面白いなと感じています。