稽古前から胸躍る、宝塚時代から憧れの先輩との共演

――お話にあがっているように、宝塚OGという大きな共通点がある皆さんですが、今回の共演者に関して、個人的な思い出や思い入れ、楽しみにしていることがあれば教えてください。

湖月 あります! 私、研1(入団1年目)の組回りのとき、月組公演『天使の微笑・悪魔の涙』('89年)という作品に出演させてもらったのですが、その時の新人公演で、初主役をされていたのが久世星佳さんでした!

一同 (拍手)

湖月 それ以来の共演なんです!

珠城 それは嬉しいですよね~。

湖月 そうなの~。すごく嬉しいです。あと今回、月組経験者が多いと思うのですが、私は専科時代に2作品続けて月組に出させていただいたのですが……。

夢咲 ああ!『長い春の果てに』('02年)好きでした! わたるさんの演じたクロード~~!!

珠城 私も『長い春の果てに』が宝塚初観劇で、それを観て宝塚を受験しようと思ったんです! それこそビデオが擦り切れるくらい見ていました。

夢咲 キャー! わかる~。あの作品すごく好き。

珠城 大っ好きです。あの作品があったから、私の人生が変わりました! ……すみません、タイトルを聞いて思わずお話に割って入ってしまいました……。

湖月 嬉しいな~。あれもフランス映画(『世界で一番好きな人』'96年公開)が元になっていたのよね。

珠城 そうだったんですね! 色々ご縁が……。

私も月組が初観劇で、月組のファンになり、自分もずっと月組だったのですが、特に思い入れがあるといえば、私は『グランドホテル』('17年)でトップお披露目をやらせてもらったのですが、その時に演じたフェリックス・フォン・ガイゲルン男爵は、初演('93年)では久世さんが演じていらしたんです。

初日に来てくださり、そのあとお話する機会もいただいて、「いつか一緒に舞台に立てる日がきたらいいね」というようなことをおっしゃっていただいたんです。こんなに早くご一緒できるとは思っていなかったのですが、あの時は本当にありがとうございましたと、この思いを早く久世さんにお伝えしたいです(笑)。

湖月 おー!

珠城 それが楽しみです!

夢咲ねね 撮影:吉原朱美

夢咲 私は、中学校の修学旅行で富山から宝塚へ行き、初めて宝塚大劇場で観たのが初・宝塚だったんです。その時の作品が、真琴つばささんが主演していた月組の『ノバ・ボサ・ノバ』('99年)なんです!

一同 わーー!

夢咲 初めて宝塚を観て「なんだこの世界は!」と衝撃を受けたのですが、中でも真琴つばささん・檀れいさん・紫吹淳さんのトライアングルが神すぎて……。私、絶対ここに入る! と決めたきっかけの作品です。

たまちゃん(珠城)と同じく、私もその後『ノバ・ボサ・ノバ』に出演した時に('11年)、式典のようなイベントがあって、その時に真琴さんがいらして、舞台上でご一緒させてもらいました。その時も胸アツだったのですが、退団後またこうして共演させていただくことが本当に嬉しく、幸せです。

花乃 こういうお話をしていると、ああ、宝塚……! と思います。みんなにそれぞれ初観劇の思い出があって、ご縁が繋がっていくお話をお聞きするだけで幸せな気持ちになれる。私はこれだけでごはんが3杯食べられます(笑)。

私は月組さんの『スカーレット ピンパーネル』('10年)で初舞台を踏んだのですが、その時に新人公演で主演をされていたのが珠城さんでした……!

珠城 うんうん、花乃ちゃんは初舞台だったよね~。

花乃 そうなんです。珠城さんは、あの大曲の数々をまだ研3でやっていらして、みんなで「すごい……!」と感動して見ていました。しかも主演さんだったのですが、まだ研3でいらしたので、私たち初舞台生の面倒も見てくださっていて……。

珠城 そう、“下級生の長”と言われる研3だったから(笑)。

花乃 いまこういう形でまたご一緒できることが、とても嬉しいです。

湖月 いやー、この話題、盛り上がりましたねえ!