まるでくじらの中にいるような大型貨物船

撮影/友野雄

Season2では、実際に本物の貨物船のほか、1200平米に及ぶ船内のセットなどでも撮影が行われた。大型作品だからこその印象的なところはあったのだろうか。

「アレクサンドリア号の屋外シーンは、スペインのテネリフェ島で、実際にある貨物船で撮影しましたが、驚くほど大きい船なんです。その貨物船に車が入る入口があるのですが、閉開する際ものすごく大きな音がして。まるでくじらが口を閉じたり開けたりするような、くじらの中にいる感覚になるほどでした。

その貨物船を2カ月ほど借りて撮影していたのは、日本で僕は経験がなくて、スケールの大きさが印象的。しかも、実際の船を使っているので、オイルがたれているところがあって『触っちゃダメだよ』と言いながらも、みんなうっかりオイルが手についたことも(笑)」

日本とは異なる撮り方やスケール感を実感したという福士。撮影現場では、とくに経験したことのない手法もあったようだ。

「スタッフが完全にAチーム・Bチームと分かれていました。Aチームは1話から6話のすべてを撮るのですが、短いシーンや細かいシーンなどはBチームが撮っていて。メイクさん、衣装さん、照明さん、音声さんなどの撮影に関わるスタッフの方がまったく別になっていて、お互いの撮影スケジュールも知らないんです。

Bチームには『本編で使われるかはわからないけど、こういうものをやってほしい』と依頼されて、エキストラカットを撮影することも。それが実際に使われていたり、使われていなかったり。日本にはあまりない習慣だと思いました」