夢を叶えるために確実なのは準備をすること

撮影/友野雄

海外での長期間に及んだ撮影だったが、オフの日もそれなりにあったと言う。作品はサバイバルスリラーだが、撮影以外の場所では、和やかに過ごしていたようだ。

「オフの日には、台本を読んで過ごしていました。とはいえ、いろいろな国の方がいるということで、みんなでご飯を食べに行くことも多かったです。ただ、最初の頃は、プライベートではどこにいていいかわからなくなることも。キャストは同じホテルに泊まっていたので、ホテルの中にあるプールやジムに行くと誰かしらがいて「Sota、come here!」などと誘ってくれるんです。でも、打ち解けるまでの間は少し困ってしまうことも(笑)。2カ月目はようやく慣れて来て、自然に楽しめるようになりました」

そうして手に入れたかけがえのない経験は、未来への思いをより強くしたようだ。福士にとって海外作品への参加とは、より俯瞰で役者という仕事を鑑みた結果、目指すもののひとつとなっていった。

「今まで独学で覚えてきた英語や体作りなど継続することを第一にしながら、この作品のみで留まることなく、海外作品にもっと参加していきたいです。僕が20代で海外作品に参加したいと思っていた理由のひとつには、日本人の20代でも海外に挑戦できるんだと、後輩の役者たちに思ってもらえたら、より海外に目が向く人も増えるのではないかと考えて。それは日本の役者にとっていいことだと思うので、僕がそのパイオニアのひとりになれたらいいなという夢もありました」

常に志を高く持ち続けるその姿勢は、すでに多くの後輩たちの目標となっているに違いない。では、次はどのようなジャンルの海外作品に参加したいのだろうか。

「一番興味があるのはアクション作品です。僕がずっと取り組んできた英語と体づくりの両方を表現できるかなと。『忍者です』と登場するのも面白そう、セリフが少なそうなので英語を話せないかもしれませんが(笑)」と、ユーモアも忘れない。そもそも独学で英語を覚えてきたのも、いつか海外の作品に出る夢があったのかとたずねてみた。

撮影/友野雄

「最初、英語に興味を持ったのは、中学校の英語の先生に発音を褒められたことがきっかけでした。そこからずっと勉強を続けてきました。10代で役者の仕事を始めてからは、仕事を通して英語が役に立つかもしれないと考えて。それからはずっと海外作品に挑戦することが夢でした」

夢を叶える力がある人は、ほんのひと握り。誰もが何かに憧れ、成功する場合もあれば、方向転換することもあるだろう。どうすれば、夢を叶えられるのだろうか?

「夢を叶えるために、確実に言えるのは、準備をするということ。準備していなかったら、絶対に夢は叶わないし、絶対に運もつかめない。通常は、準備していても、夢が掴めないこともある。ですが、準備していなかったら、もう絶対に夢は掴めないので、日ごろからすべきだと僕は思っています。

運というものは、きっといろいろな人のまわりをグルグルとまわっていると思うんです。その運が偶然、目の前に来たときに、見逃してしまう人もいれば、見つけても手が届かない人もいて。運がめぐって来たそのときに、ちゃんと手を伸ばしてその運をキャッチできる人間であるかどうかは、普段から準備しているかどうかだと思います」

作品情報

Huluオリジナル「THE HEAD」Season2
 Huluにて独占配信中(全6話)

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福士蒼汰サイン入りポラ

大阪生まれ。出版社勤務後、ライター&編集者として独立。エッセイ本『どうしても、結婚したかった。1000人の男性と出会った私の婚活ラプソディー』(発行:東京ニュース通信社/発売:講談社)2024年4月1日発売。音楽、日本・韓国などのドラマやTV・映画といったエンタメから恋愛・婚活・育児など女性向けジャンルを手がける。公式サイト