親子でマインドフルネス!
――アートというものは正解がありませんから、自由に、無心になれて楽しそうですね。
森:お母さん方と出会うことも多くて、「子どもたちとやりたい」と企画してくださる方もいます。
「美しいものはこうである」では無くて、「自分が美しいものを公園で見つけてこようよ」と。
その子によって美しいと感じるものは違うから、それを写真に撮ってきてもらうんです。
「どんなところが美しいと思ったの?」と聞くと、「葉っぱに乗っているてんとう虫が好き」という子もいるし、「虫が食べた葉っぱの穴が美しい」という子もいます。
そうするとお母さんは「この子にこんな感性があったなんて」と驚いたりします。
「すごいね!」と褒めてあげると、子どもたちは照れながらも満面の笑みになります。
それが子どもたちの自信にもなります。そのまなざしがSense of wonderなんです。
そういう経験は大人になってもどこかに残っていて、感性の豊かさにつながっていきます。
子どもたちの感性は、私たちの先生
――大人になって何か悩んでしまった時に、その楽しかった・嬉しかった経験に立ち戻れそうですよね。
森:そうなんです。子どもたちの感性って本当に柔らかいので、私たちの先生ですね。
大人はつい先を急いでしまって、立ち止まった子どもに「早く行くよ」と言ってしまうけれど、子どもはそこに目を輝かせながら子どもならではの世界を見ています。
子どもの頃の純粋な気持ちを子どもたちの目線になって思い出していくことはとても大事なのではないかと思います。
だから私は絵本が大好きなんですね。大人こそ、ビジネス書ではなくて絵本を読むべきなのかもなんて思います。
――森さんの特にお気に入りの絵本はありますか?
森:ハマっているのはヨシタケシンスケさんの本です。
絵柄がとても可愛いですし、大人のこりかたまった思考をゆるゆるにしてくれます。
ヨシタケシンスケさんの『りんごかもしれない』は、セミナーの教材に使っています。
もう大人たちも大爆笑です。想像力を働かせてアイディアを絵や言葉にしてもらいます。すごく面白いので大人の皆さんにオススメしたいです。
※インタビュー後編では、今すぐ出来る!マインドフルネス実践法などをお伺いします。
森夕花:カングロ株式会社 取締役執行役員/ライフコーチ/マインドフルネスアート研究家
神奈川県横浜生まれ。尚美高等音楽学院卒業。京都芸術大学芸術学部卒業。1993年、ドイツの環境先進都市フライブルクに留学。自然と調和したライフスタイルを学ぶ。2002年より心と身体を癒すヒーリング・カウンセラーとして活動。2015年から企業のライフコーチとして、個人セッション、研修等を行っている。現在、ライフコーチの他、「大人のためのアート思考講座」「Philoarts研究会」「マインドフルネスアートワークショップ」「サステナ塾」「目覚めの瞑想会」など講座、ワークショップを中心に活動を行っている。
参照リンク:マインドフルネスとウェルビーイング