厳選!大人におすすめの絵本3選

ここからは、日常的に書店の絵本コーナーを散策している筆者が、おすすめの絵本を厳選して紹介します。

大人におすす目の絵本1:『バムとケロのもりのこや』シリーズ(島田ゆか)

しっかり者のバムと、無邪気で元気いっぱいなケロちゃんの日常を描いたシリーズ。

好奇心旺盛でつい周囲を振り回してしまうケロちゃんと、そんなケロちゃんをやれやれと助けてあげるバムのやりとりが愛おしく、優しい世界に癒されます。

そしてなにより、イラストが細やかで遊び心がいっぱい!物語の所々に小さく描かれたサブキャラの「おじぎちゃん」と「ヤメピ」探しも『バムとケロ』シリーズの魅力です。

ヤメピ(左)とおじぎちゃん(右)が大好きな筆者。ぬいぐるみを買ってしまうほどかわいい

「おじぎちゃん」と「ヤメピ」も、バムとケロが出かけるときには必ず一緒。バムがさりげなく2匹のサイズに合わせた食事も用意していることにも、心が和みます。

素朴で温かいストーリーと、遊び心たっぷりの可愛いイラスト。まさに絵本の真骨頂とも言える魅力を存分に楽しめる絵本です。

大人におすすめの絵本2:『みえるとか みえないとか』(ヨシタケシンスケ)

絵本作家としてはもちろん、大人向けのイラスト集も大人気のヨシタケシンスケさん。数ある人気作品の中でも、筆者のお気に入りは『みえるとかみえないとか』です。

伊藤亜紗さん著の『目の見えない人は世界をどう見ているのか (光文社新書)』が原案とされており、伊藤さんは『みえるとかみえないとか』にも「そうだん」というポジションで参加しています。

宇宙飛行士の主人公が様々な身体的特徴を持つ生き物が住む惑星を訪れ、自分の普通と他人の普通が違うことに気付いていくお話です。

かわいいイラストはもちろん、ハッとする言葉もたくさん。特に筆者の心がグッと掴まれたのは、この一節。

 

からだの とくちょうや みためは のりもののようなもので、

「その のりものが とくいなこと」は かならず あるけれど、

のりものの しゅるいを じぶんで えらぶことはできない。

そのひとの ほんとうの きもちや くろうや したいことは、

やっぱり その のりものに ずっとのってきた

そのひとにしか わからない。

出典:『みえるとかみえないとか』

 

 

「違い」から生じる人間関係のしがらみは難しく考えてしまいがちですが、大人だからこそできる丁寧で慎重な歩み方を大切する一方で、シンプルに考えることも忘れずにいたいと改めて思わせてくれた一冊です。

ヨシタケさんは大人向けの絵本も多く出版しており、どれも心に沁みるものばかり。ぜひチェックしてみてくださいね。

大人におすすめの絵本3:『誰も知らない世界のことわざ』(エラ・フランシス・サンダース著/前田まゆみ訳)

翻訳できない世界のことば』をはじめとした作品で知られるエラ・フランシス・サンダースさん。実はことわざをテーマにした『誰も知らない世界のことわざ』という本も人気なんです。

名前の通り、世界各地のことわざが紹介されており、日本で生まれ育った著者は「え?なんじゃそりゃ!」とびっくりすることも多々。ことわざの内容を描写したイラストが描かれており、クスッと笑ったり、「なるほど」と納得したり、とにかく面白い一冊です。

ちなみに、筆者のお気に入りはトルコ語のことわざ「ブドウはお互いを見ながら熟す」で、「仲間は次第に似るようになり、周りを見ながら成長していく」という意味だそう。

国や地域ごとの文化や大切にしている価値観も垣間見えて、世界と自分を繋いでくれるような本でもあります。

大人こそ絵本を読もう!

いかがでしたか?

簡単に読めるのに、癒されたり、学びになったり、原点に立ち返ったりと、絵本から得られることは本当に多いように思います。

自分への贈り物としてはもちろん、大切な人にプレゼントしてみるのも良いかもしれません。大人になってから改めて読む「絵本」の世界、ぜひ皆さんも覗いてみてくださいね。