2020年、音楽シーンは期せずして改革の年となりました。“個の表現者”、“チームとして共創する表現者“の時代になったと思います。
TikTok発のシンガーソングライターの躍進、YOASOBIなどボカロ文化圏から派生したユニットの活躍には目覚ましいものがありました。
コロナ禍の影響によって“人が気軽に会えなくなった時代”。音楽ビジネスは、急速なデジタルシフトに迫られDX(デジタルトランスフォーメーション)化が一気に進みました。5年は時間が早送りされたような感覚なのです。
いわゆる、Online Merges with Offline(オンラインがオフラインを融合する)の時代。
アナログ偏重であった業界のデジタルシフト。テクノロジーを駆使してマーケットの対象範囲、マネタイズなどを根底から変化させる必要に迫られました。具体的にはCDに代わり、Spotifyなどストリーミングサービスの普及。オンラインライブの開催が増えた1年となりました。
プロモーションやマーケティング手法にも大きな変化が生まれた1年でした。平井 大「Stand by me, Stand by you.」のロングヒットのきっかけとなったTikTokや YouTubeでのUGC(ユーザ生成コンテンツ)の存在は、ヒットを生み出す“機能性”として注目されました。
手法は様々であり“歌ってみた”、“踊ってみた”、“弾いてみた”、“リップシンク(口パク)動画”、“カップル動画”、“ネタ動画”など、たくさんのリスナーによる二次創作コンテンツが生まれました。
他にも事例はたくさんあります。クラブヒットにも繋がったラッパーTohjiが踊る「GOKU VIBES」から拡散した“踊ってみた”人気も記憶に新しいです。
TikTokでのユーザー発信から、フレデリック「オドループ」という6年前の作品によるリバイバルヒットが生まれたことも興味深い現象となりました。