CHAPTER 3 どんな番組になるのか!?

── ON AIRされる実際の番組は105分の尺のようですが、どんな構成になるのでしょう?

眞形 最終的に残った7人が新たに用意した「マーダーミステリー」の設定の中で与えられたそれぞれの役になりきり、犯人を暴いていくドラマを放送します。

今日観ていただいた、第二次選考の模様やメイキングなどは配信や別番組で放送できればいいなと考えています。

── 視聴者も7人のプレイヤーと一緒に犯人が誰なのか探りながら観ていく感じになるんですか?

桒山 犯人が分かった上で、殺人の動機は? 凶器は何? というミステリーで後半は引っ張っていく形になると思います。

物語の起伏をどうつけたらいいのか? 視聴者を引っ張るにはどうしたらいいのか? ということに関しては番組スタッフとこれから詰めていくんですけど、どこで犯人を明かすかに関して、すごく悩んでいますね。

── プレイヤーが何組かに分かれて密談をするシーンはどんな風に見せるつもりですか?

桒山 例えば3チームに分かれた密談がそれぞれ5分だとしても、すべて見せると15分になってしまうので、明かすところと明かさないところは編集で調整します。

決勝戦は神戸の洋館を舞台に、よりリアルなセットで

── 決勝選は第二次選考のような会議室ではなく、神戸の洋館を使って撮影するそうですね

桒山 そうです。実際にある洋館の大広間に集まってもらって、撮影します。

眞形 大広間のほかに密談をする場所を3つほど用意し、カメラの位置を決めて撮っていきます。

桒山 カメラマンが映り込まない形で撮れるようにしようと思っています。

── 決勝戦でも、リハーサルはせずにカメラをいきなり回し始めるんですか?

桒山 リハはしないです。7人それぞれの秘密や役割などは事前に綿密に打ち合わせをしますけど……。

眞形 絶対にやってもらわなきゃいけない行動ややってはいけないことなど、決めごとは事前に再度チェックして臨んでもらいます。

桒山 あと、決勝戦では第二次選考のような物の名前を書いたカードではなく、実際に小道具を用意したり、遺体が本当に倒れている状況を作って、よりリアルな緊迫感が出るようにします。

眞形 芝居そのものは、ぶっつけ本番が面白いと思うんですよ。大広間に入ってくる時の7人の“うわ~緊張してきた~”みたいな空気はやっぱり普通のドラマとは違うと思うので、そこはクローズアップできればいいですね。

生瀬勝久ら審査員も加わってナンバーワンを決定

── 今回、“スター発掘”というオーディション的な側面もありますが、その次世代スターはどうやって選出するんですか?

桒山 探偵・斑目瑞男役の劇団ひとりさん、その助手・村城和兎役の剛力彩芽さんに加え、審査員として、俳優の生瀬勝久さん、『おっさんずラブ』の瑠東東一郎監督、『ドクターX』の内山聖子プロデューサーにお願いしていて、皆さんに芝居がいちばん印象に残った人や物語の展開に大きく寄与した人の中から、ナンバーワンを選んでもらおうと思っています。

── 審査員は決勝戦だけを観てジャッジをするんですか?

桒山 そうです。第二次選考などは見せないつもりです。

── 劇団ひとりさんを起用された理由は? 「マーダーミステリー」をやっていたんですか?

眞形 ひとりさんは「マーダーミステリー」を知らなかったですね。

桒山 でも、番組の主旨を伝えたら面白がってくれて、企画に乗ってくれたんです。

眞形 ひとりさんはパッと即興でやるのが得意な芸風で、文章も書ければ映画監督もやっている。そういうマルチな活躍をしている人はほかにも何人かいますけど、中でもひとりさんは知名度もトップで、この人が参加している番組なら観てみたいなと思わせるところがありますよね。

桒山 視聴者目線で、どこをどう楽しめばいいのかというラインづけをしてもらうのに適任だと思ったんです。

眞形 ひとりさんならツッコミや毒舌も面白いものになるだろうし、嫌味にならない。そこでバチッと決まったんです。

視聴者だけでなく作り手たちも驚かせることができる番組

── どんな番組になりそうですか?

眞形 俳優やタレント、芸人などではない一般の人が活躍できる番組が少なくなって、最近は売れている人だけをキャスティングする無難なものばかりになっています。

僕らの番組は、そういうものとは違い、一般人のガツガツした感じやヒリヒリ感があるものになると思います。

しかも、僕らが二次審査に選んだ7人はどの組もそれぞれ人間的に面白いし、瞬発力があって、光るものがあった。

そこから決勝戦に選ばれた7人がひとつのステージに上がってバトルをしたらどれだけ面白いものになるのか!? そこでは視聴者だけではなく、ほかの作り手たちも“お!”っと驚かせることができると自負しています。

桒山 作り手の僕らでさえどうなるか分からない展開の面白さもありますね。

眞形 設定はあるけれど、台本はないから予定調和にならないんです。さっき言ったヒリヒリした感じとは違う、先が見えないゾクゾク感と何が起こるんだ? というワクワク感が同居した面白さと言うんでしょうか(笑)。

7人のプレイヤーが作り上げていくドラマを観て泣いたり、笑ったり、何、この感情が揺さぶられる不思議な感じは?ってなるところが僕らの番組の醍醐味だと思っています。