「くまもと復興映画祭2021」開催を告げる、行定勲監督からのメッセージ

激しい揺れに襲われた深夜1時すぎ。長い揺れがおさまり、窓から外を見渡すと街は闇にのみ込まれていた。

熊本城の方向に白い煙のようなものが見え、轟音が聞こえてきた。世が明け、路上に散乱した石垣を見た衝撃を私は忘れない。あの日から5年が経ちました。

新型ウィルス感染、令和2年7月豪雨と難局に立たされながら、熊本地震からの復興の途上にある熊本の地で、今年も映画祭を開催できることを嬉しく思っています。

熊本城に新しい天守閣が、そして新阿蘇大橋開通と少しずつ前進する熊本にエールを贈りたいと、9作の珠玉の映画を選出しました。

公開前の最新作から、私に映画を目指すきっかけを与えてくれた名作と、すべてが思い入れのある素晴らしい作品ばかりです。

日本映画界を支える監督や俳優を招聘し、熱い映画の話を存分にしてもらおうと思っています。スクリーンから映画の力を浴びて、元気になってくだされば幸いです。

ティーチインゲストの最新情報や会場までのアクセス、チケットの購入方法などの詳細は「くまもと復興映画祭2021 Powered by 菊池映画祭」公式HPで確認してください。

 

映画ライター。独自の輝きを放つ新進の女優と新しい才能を発見することに至福の喜びを感じている。キネマ旬報、日本映画magazine、T.東京ウォーカーなどで執筆。休みの日は温泉(特に秘湯)や銭湯、安くて美味しいレストラン、酒場を求めて旅に出ることが多い。店主やシェフと話すのも最近は楽しみ。