「〇〇しなければ」という自分への暗示…それって呪いかも?

「友達はたくさん作らなければいけない」「ちゃんとした企業に就職しなければならない」「適齢期に結婚して子供を持たなければいけない」など、「〇〇しなければならない」と強く思い込んでいることはないでしょうか。

自分を律するためにプラスに働く「しなければ」ならいいかもしれませんが、自分を追い詰めたり、強迫観念にかられるような「しなければ」なら呪いである可能性はあります。

呪いは、一番身近な人から受ける影響が最も色濃く出るもの。親だけとは限らないですが、育ての親の言動の影響は絶大です。大人になり、親の目を気にしていないつもりでも、実は無意識のうちに親が望む方向に進もうとしていた……なんてこともあります。

そして「〇〇しなさい」とはっきり言葉で言われたことだけではなく、振る舞いや態度などで呪いを受けている可能性も。

「はっきりと言語化されていないことほど、抵抗や反抗する手段がなく、影響力が長く大きい気がする」「強すぎる祝福も、微弱な悪意も、ふとした発言も、すべて呪いになり得る」といった反響コメントが寄せられていることからも、皆さんさまざまな心当たりがあるようです。

親からの無意識の「呪い」を解くためには?

子育て中も、自分の「~しなければならない」と向き合うことは多々あります。一人の人間の命を預かり、育てる責任感から、特にあれもこれもきちんとしないと、とガチガチになってしまうことも。

呪いを子供に受け継がないためには、どうしたらいいのでしょうか? ツイートのリプ欄からヒントを得ました。

「自分自身の呪いに気がつき、どんな気持ちでそれを口にしたのか自分と向き合いつつ、子供には呪いがいかないように育てていきたい」

「しなければならないことは何もない、適当にやろう、と親が思えたら、縛られるものがなくなって子供ものびのび生きられるかも」

「親の呪いは、親以上に経験や知識を持つのが一番かもしれません」

「認知してそこから言語化することで、影響力から遠ざかることができるのでは」

まずは自分自身がどんな呪いにかかっているかを自覚し、それを言語化して口に出してみる(あるいは書き出してみる)こと。

毒親関連の書籍などで、呪いの解き方について書かれているものも今は多く出ています。呪いを自覚したら、それを解くステップを踏んでみるといいかもしれませんね。

また、「呪い」は「のろい」とも「まじない」とも読めるため、「呪いは負を、まじないは加護を与えます。 親から受ける『呪い』は両方の側面がありますね」というコメントや、「呪いも人間が自立するため、自己を形成するため、何かを成し遂げる動力となるため、さまざまな形で祝福となり得る」と「呪い」を二面的に捉えるコメントも。

子供は親のことをよく見ています。良くも悪くも、影響を受けて当たり前。ただ、「加護」や「祝福」とは思えない、自分を縛る「呪い」であると自覚していることについては、解いていきたいものです。

親が愛情のつもりで言っていることやしていることでも、子供を縛る呪いになってしまうことがある……確かに、自分にも心当たりがあるという方も多いのではないでしょうか。

子供のことはもちろん自分自身も、「ありのまま」をOKとして、呪いに縛られない子育てをしていきたいですね。

エディター&ライター。エンタメ誌などの編集を経て、出産を期にライターに。ミーハー精神は衰えないものの、育児に追われて大好きなテレビドラマのチェックもままならず、寝かしつけたあとにちょこちょこと読むLINE漫画で心を満たす日々。