高橋恭平が「人見知りというのは信じていないです(笑)」

撮影/稲澤朝博

――千輝役の高橋恭平さんとはこの作品を通して仲良くなったそうですが、板垣さんから見て、千輝と高橋さんの共通点はありますか。

二人とも真っ直ぐです。千輝が出場する陸上の大会のシーンがあるんですけど、真昼間ではなかったとはいえ、夏の暑い時期の撮影だったのに、恭平ちゃんが本気で何回もダッシュしていて。

そういうストイックさとか、作品や役に対しての真っ直ぐな気持ちとかは、千輝があんなに周りからもてはやされても真綾にだけ向き合っているところとかぶるなって思いました。

――高橋さんと仲良くなったきっかけは何かあったのですか。

僕は人見知りなので、基本的に話しかけてもらえないとそんなにいけないんですけど、そこを(高橋から)めちゃめちゃ話しかけてきてくれて。

今回、撮影に入る前に、走るフォームとか、陸上ってどういうものかとかを教えてもらう練習があったんですけど、そこで(板垣が出演していた)仮面ライダーの話とか、みっちー(
道枝駿佑/なにわ男子)と共演してたよねっていう話とか、結構グイグイ話しかけてくれたんです。

そのおかげで話せるようになりましたし、手塚と千輝の関係性も作りやすかったです。中学生時代の回想シーンもあるんですけど、手塚と千輝はもともとは仲が良くて、それを思春期の素直になれない感じでこじらせて今のような関係性に行き着いているので。

ただあとから聞いたら、(高橋も)めっちゃ人見知りって言っていて。でも本当にそんなことを全然感じないくらい話しかけてくれたから、僕は今でも彼が人見知りというのは信じていないです(笑)。

――主演としての責任感からですかね。

そう言ってました。「座長だから」って。けど、そう思ったからって行動できるわけではないので、さすがだなと思いました。そうやって現場の空気感を大事に作ってくれました。

撮影/稲澤朝博

――お芝居に関して二人で話すことはありましたか。

そこは敢えて話さなかったです。千輝と手塚に関してはお互いの気持ちをぶつける感じのシーンが多かったので、自分がどうするかは言わずに本番でいきなりやることもありました。

さっき話した真綾の手を掴むシーンも、去り際、千輝にわざと肩で当たっていくんですけど、それも話さずにやりました。そうした方がリアルになると思ったので。

――ちなみに高橋さんが板垣さんの家に行ったこともあるそうで。

そうですね(笑)。一緒にサッカーを観たりしました。

©2023「なのに、千輝くんが甘すぎる。」製作委員会 ©亜南くじら/講談社

――真綾役の畑芽育さんの印象も聞かせてください。

最初にお会いしたのが、僕が現場を見学させてもらったときで、これは僕も悪かったんですけど、そのときの「服装が怖かった」って言われて(笑)。僕は全然そんなつもりはなかったのに、「すごい人が来た」って思ったみたいなんです。

そのせいか最初にご挨拶をしたときも、あんまり目が合わない感じで「これは無理かも」って思っていました(笑)。でも現場に入って話をしてみると、共通の趣味があったりもして、作品を作る上でのいい空気感は作れたのかなと思います。