同世代に対しては、素直に嫉妬します

撮影/小嶋文子

――金子大地さんとのエピソードも出ましたが、同世代の役者さんたちと作品について話す機会は多いですか。

僕は多いほうだと思います。役者もそうですけど、現場で仲良くなった監督やスタッフさんとも連絡先を交換して、「何が面白かった?」みたいな話はよくしています。

――その会話から自分が出てみたいと思う作品が出てくることも?

あります。「そうなの? 知らなかった」みたいなことはよくありますし、「自分はなんて勉強不足なんだ」と反省しつつ、知らない世界をもっと知りたいと思うことはたくさんあります。人と話すことで学ぶことは多いです。

ただ、僕って本とかもそうなんですけど、好きな監督とか、著者の方はいつつ、いわゆるジャケ買いみたいな、表紙のデザインとか、人のおすすめとかで決めるので、すごく知識が雑多なんです。

なので今年は、それを自分の中で少し整理していきたいなと。例えば、好きな監督の作品を全部観てみるとか、そういう勉強の仕方もしてみたい気持ちが出てきました。

撮影/小嶋文子

――ちなみに金子さんとは『わたしに××しなさい』での共演がきっかけなのですか。

それもあるんですけど、僕たちよくオーディションで一緒になって。一緒に落ちるときもあるんですけどね(笑)。

僕は大地が出ている映画はほぼ劇場で観ているし、舞台もほぼ観に行っていて、彼の芝居がめちゃめちゃ好きなんです。観ていて「良くないな」と思うときは伝えますけど、最近はほぼそういうことはないですし。

大地に対しては、出ている作品を素直にいいな、好きだなって思っているし、嫉妬もするし、尊敬もしています。同い年で対等に話してくれるから、大地のこと、大好きです(笑)。

他にも、この間、高杉真宙と新幹線のホームで5年ぶりぐらいにばったり会ったんですけど、向こうも再会を喜んでいてくれているが伝わってきて、次は現場で会いたいと思ったり。

北村匠海とは年に数回、会う仲なんですけど、匠海の芝居を観て、またいつか共演したいな、自分も匠海が信頼できる役者でいたいなって思ったり。同世代に対しては、素直に嫉妬しますし、そういう人たちとはもう一回、一緒に仕事をしたいと思いますし、ちゃんといいものは「いい」と伝えたいと思っています。

©2024「不死身ラヴァーズ」製作委員会 ©高木ユーナ/講談社


自分が演じた甲野じゅんに対して、「魅力はあんまりよくわからなくて」と話していた佐藤さん。

確かに、この物語は恋する長谷部りのが主人公ではありますが、“別人”として現れるじゅんの存在はとても重要ですし、特に、物語の後半に登場する大学生のじゅんは、りのにはない恋の一面を魅力的に見せてくれます。ぜひ劇場で「好き」が溢れる本作を堪能していただきたいです。

作品紹介

映画『不死身ラヴァーズ』
2024年5月10日(金)より全国公開