第3位 味カルメギサル専門/미갈매기살전문(鍾路3街)
ソウル旧市街のなかで今もっともエキサイティングな鍾路3街。『味カルメギサル専門』は、その大衆酒場エリアと、おしゃれなカフェやバーが集まっているエリアの境界線にある。
裏通りのY字路の又の部分に位置するため、夕方以降、ご機嫌な酔客が常に行ったり来たりする様子はソウル飲み屋街のビジュアル大賞と言ってよい。
2年ほど前、韓国の人気グルメ番組『水曜美食会』で、著名なコラムニスト、ファン・キョイク氏がこの店を推薦して以来、しばらく行列が絶えなかったが、今は一段落しているので、利用しやすくなっている。
店名のカルメギサルとは豚ハラミのこと。この店に来たら誰もが頼むこの肉は日本の人におなじみのサムギョプサルのような脂身がほとんどなく、ほどよい弾力があるので、酒のつまみにぴったり。しかもお店の人が細かく切ってくれるので女性にも食べやすい。オリジナルのレモンソースにつけて食べると、さっぱりいただける。女性客が多いのもうなずける。
味カルメギサル専門
住所:종로구 돈의동 7-1
TEL:02-3672-0081 第3日曜定休
第2位 乙支OBベオ/을지오비베어(乙支路3街)
明洞の最寄り駅である乙支路入口(ウルチロイプク)駅から1駅となりの乙支路3街駅の周辺は、インテリアや水回り製品、照明などの専門店街だ。
この駅の3番から地上に出て、ウリ(woori)銀行を右手に見ながら進み、最初の路地を右折してしばらく行くと、庶民的なビアホール街が姿を現す。
この辺りでは、席にさえ着けば何も言わなくても、たちまちジョッキの生ビールと鱈の干物をあぶったノガリクイが出てくる。ビールのおかわりがほしければ店員に向かってジョッキを指さしたり持ち上げたりすればよい。
周りに個人商店が多いので、時間を自由に使える中所企業のオーナー(中高年男性)が昼間からビールを一杯飲んでサッと仕事場に戻る。1970年代からそんな利用の仕方が一般的だったのだが、ここ数年のレトロブームに乗って、若者の人気スポットとなり、しゃれた店が増えてきた。筆者は昔ながらのビアホールの雰囲気が好きだったのだが……。
そんななかでも昔の雰囲気を残しているのは、最古参の『OBベオ』。店内にはL字カウンターが2つあるだけで、20人入るか入らないかだが、店の脇や裏に駐車場のようなスペースがあるので、そこでも飲める。
この店では生ビール3500ウォン、ノガリクイが1000ウォンと一般のビアホールより安い。
ノガリクイに添えられる真っ赤な唐辛子のタレは韓国人にも辛いが、激辛ダレで燃える口中をビールで消火→再び激辛ダレ。このリズムが楽しい。
乙女OBベオ
住所:중구 을지로3가 95-4
TEL:02-2264-1597 無休
第1位 ウファ食堂/우화식당(乙支路3街)
2位のOBベオがあるビアホール街の周辺は、雑居ビルの間をぬうように狭い路地が網の目のように広がっている。こんな路地に雰囲気のいい酒場があったらなあと思いながら歩いていると、奇跡のように存在するのが、第1位のウファ食堂だ。
軒先に大根の干し葉や干し鱈がぶら下がっている光景は、田舎町ならともかく大都会ソウルではめったに見られない。
店を一人で切り盛りしている女将はいつも黙々と調理に励んでいる。その後ろ姿は昔懐かしい母親の姿そのものだ。酔客にお愛想を言うようなタイプではないが、飲み過ぎの客には毅然とした態度で接する。だから、日本の女性客でも安心して利用できる。
毎週土日の2日間は定休日なので、週末に旅行することが多い日本の旅行者にとってはなかば幻の居酒屋的存在だ。
ウファ食堂
住所:중구 입정동 250
TEL: 02-2277-4997 土日定休
※いずれの店も、17時前後の入店がおすすめ。写真説明文にあるハングル表記の住所をタクシー運転手さんに見せれば、近くまで連れて行ってくれる。