大豆生田:特に、動く子たちとかって、どこに行ってもやっぱりすごく、親子が辛い思いをしているんですね。だから、そういうご家族ってどうしてもウチに、ウチに、引きこもらざるを得ない。どうしてもママたちへの目線が厳しいですよね、いろんなところで。

だからひとつは、寛容さってすごく大事。もう一方で、さっきの、周りに配慮する意見も大事。

海外がいいなって思うのはそこで、海外って、いろいろ声をかけてくれるんですよね。日本はやっぱり、目線が、ちょっと厳しい。どこへ行っても「マナー」ってことが先に来ちゃう。

木舟:いま海外の話がちょっと出たんですけれども、海外はよく「子連れに優しい」っていうじゃないですか。でもそれって単に優しいんじゃなくって、ズバズバ干渉してくるんですよね。

イタリアのベネチアで水上バスに乗っていた時、ちょっと目を離した隙に船が揺れて、子どもが落ちそうになったことがあったんです。結果としては大丈夫だったんですけど、その時、そばに乗っていた若いママに、僕、ものすごい怒られたんです。

木舟:「あなた、子どもから目を離しちゃダメじゃないの!」って(笑)

日本で若いママが、同年代のほかの男性を叱りつけることってないじゃないですか。

これは国民性の違いもあるとは思うけれども、単に甘やかすんじゃなくって、ダメな時はダメって、いい意味で関わっていく。他人だから遠慮するんじゃなくって、やっぱり関わっていくっていうのが非常に大事なんじゃないかなって。

村田:ママもパパも、勉強になりそうですよね。いろいろな考え方があるんだなって。

大豆生田:日本の大人たちだって昔はもっと、勝手にその辺で花だって摘んで怒鳴られたりしていただろうし(笑)

だけどなんか、さも自分はそんなことやってなかったかのように、冷たい、厳しいまなざしを向けちゃうっていうのは・・・やっぱりママや子どもたちにはしんどいだろうなって思いますよね。

村上:批判をする人は、そんなに行儀のいい子ども時代を過ごしてないですよね?(笑)

大豆生田:全ッ然、お利口さんにしていたとは思えないですよね?(笑)

会場を巻き込んだトークセッション&来場者の感想は?

――では最後に、来場者と大いに盛り上がった質疑応答と、当日現場で伺った感想をいくつかご紹介しましょう。

教えて!ジジババ&パパを巻き込むコツ?男性の「産後うつ」?ママだけで子連れ旅できる?

Q:パパが即戦力にならないとしたら?ほかの家族や友人を頼ってもいいでしょうか

木舟:いいアイデアです!

我が家の家族旅行で一番大変だったのは3人とも未就学児の状態で香港に行った時だったんですけど・・・それを反省した後は妻の母、義理の母を連れて行って、祖父母と三世代で旅行しています。

これをやると何がいいかっていうと、孫とおじいちゃんおばあちゃんの仲が良くなるっていうのもありますし、あとは上の世代の方っていうのは「私が若い頃は旅行なんてしなかったわよ、最近の若い人はねぇ」っていうのがありがちなんですけれども、自分の孫だとそこは態度がコロッと変わるっていうのがあるので(笑)

巻き込んじゃって、それが拡がってゆけば、年配の層も「子連れ旅行、孫連れ旅行いいわぁ」っていう、全体がそうなっていくといいんじゃないかなって思いますね。

大豆生田:パパが役に立たないという話ですが(笑)ほかの友人家族とワイワイというのは、すごくいいです。

「キャンプ」や「バーベキュー」なんかに行くと顕著ですよ。「アラ!うちのパパよりもほかのパパの方が、子どもがみんな集まってるわ」って(笑)

パパにとって、あんなに刺激を受けることってないです。何家族かで出かけると「ああいう風にやるんだ」って思ったり気付いたりする機会になります。

男ってライバル心があるから、それだけでもすごく刺激になります。

木舟:パパの得意分野をうまく盛り込んであげてもいいですよね。アウトドアが好きだったらアウトドア、スポーツが好きだったらスポーツとか、何かしらパパが輝けるものを。男はプライドの塊なので、褒めて伸ばす(笑)

大豆生田:それにいまのパパ世代は、上の世代にモデルがないから、だからそのモデルを横に求めるというのはすごく大事で、すごくいい視点だと思います。

Q:パパ業の先輩として言いたい!赤ちゃんの内から母子に寄り添い、父親の役割をもっと認識してみては?

村上:イクメンの先駆者ともいうべき方から、貴重なアドバイスをありがとうございます。

小さい頃からどれだけ関わってくれるかというのは、パパとお子さんの関係を深めると思います。また夫婦関係も、大変な時に一緒に乗り越えてくれた“戦友”という風に、強いものになるように思います。

先ほどのお話にもありましたが、そうやってパパや、おじいちゃんおばあちゃん世代、またお子さんのいないお友だちとかを巻き込んでしまって、何人かのグループで子どもを育てるというのは、初期人類の、10人ぐらいの小さなグループでウロウロしていた、まさにその感じなんだなぁと。

子育てってひとりではなく、やっぱりたくさんの手がいるものなんですね。

Q:夫は育児にも積極的、でもひどくイライラしています。男性の「産後うつ」ってあるんでしょうか?

大豆生田:私はお医者さんという立場ではないですけれども、実はこれ、すごく増えているといわれています。

というのは、女性側の意識に自分を重ねようとする、一生懸命やろうとしているパパほど、ママの気持ちに寄り添おうとする時に、あるいはママと同等に子育てをしようとする時に、そういうことが起こってくる。だから積極的な人ほど、そうなりがちということがあって。

私も何度も、ご夫婦で、パパが泣いて訴えてくるっていう人にお会いしています。「ボク、これだけやっているんだけれども、もう無理です」っていう方が、結構いるんです。

それくらい、社会の流れは「パパたちも子育てにも家事にも積極的に」ということになっているのだと思いますが、でも仕事自体はなかなか変わっていない。働き方が変わらないなかで、そこに苦しさみたいなことが起こっていることは確かだと思います。

村上:産後の「うつ」について、私はさっき、栄養の話もしましたけれども、ご家族だとすれば同じものを召し上がっていますよね。例えば、野菜は身体にいいからっていうイメージがありますが、もちろんいい面もあるんですけれども、そればっかりでは危ない。

ご夫婦で同じものを食べていたらやっぱり、精神面・身体面にも影響することは同様にあるのかなぁとも思いました。ぜひ、栄養面も気を付けてみてください。

Q&A:ママひとり+未就学児3人で旅行したい!オススメのスタイルは?

村田:クルーズをオススメしたいですね。クルーズは高いと思われがちなんですけれども、いま日本発着で外国船がいっぱい来ていまして、料金も1泊あたりひとり1万円くらい。食事も、移動も、宿泊も全部付いて、かつ、お子様は無料だったりします。

託児というか、いわゆるキッズクラブみたいなものもありますので、預けながら旅すればママもリフレッシュできます。この近くからだと横浜からも出ていますから、そこまで行ければあとはすごく楽なので、ご検討されてみては如何でしょうか。