新生児科医や交通インフラ企業を直撃!「旅する“おっぱい”」どうでした?

新生児科・小児科医 奥起久子先生:「なぜ医師として“おっぱい”を支援しているか」

実は「国際母乳哺育学会」という母乳関係の国際学会がこの9月、日本では初めて開催されたのですが、そこに生後8週間の赤ちゃんとふたりで、ニューヨークから参加されたママがおりました。またウガンダから7カ月のお子さんとふたりだけで、アラビア半島で飛行機を乗り継いでいらした研究者の方もいらっしゃいました。

おふたりに「どうでした?」って聞いたら「いえ、何にも」。「授乳なんかどうされたんですか?」「欲しがる時にその都度“おっぱい”をあげてまいりました」。「何か差し支えがあったり、不便なことはありませんでしたか?」「いえ、全然」とまぁ、こんな感じで。

まさに「旅する“おっぱい”」です。

なぜ医者として母乳育児支援をしているかというと“おっぱい”で赤ちゃんを育てると、丈夫になったりカゼを引かなくなったりするだけじゃなく、先々の病気が減るということが最近の研究で分かっております。

例えば気管支喘息にもなりにくいし、小児白血病にもなりにくい。さらにその先も、糖尿病は約40%リスクが減るし、高血圧も減りますし、がんも減ります。そうすると、日本でも相当の医療費が節減になりますよ。

また母乳をあげているママが乳がんになりにくいとか「産後うつ」にもなりにくいっていうのも知られるようになってきました。

旅でもどこでも“おっぱい”をあげるということが、当たり前の社会になって欲しいですね。

タクシー会社・日本交通:「社会インフラとしてもっとできることがあるはず」

私は陣痛タクシーや、新生児様のご退院・お子様の健診やお出かけ等でチャイルドシートをご用意したキッズタクシーなどのサービスを担当していますが、赤ちゃんやお子様を連れての移動に関する状況や、リアルな声の数々、非常に参考になりました。

子育てしやすい社会を実現するためにも、交通インフラを担う側がアプローチできることがもっともっとあるように思いました。

――第2回【全日本おっぱいサミット】レポート、如何でしたか。

「公共の場での授乳」問題を入り口に「旅する“おっぱい”」に迫った今回、赤ちゃんや子どもを連れた「旅」、また「旅育」について、具体的なアドバイスもいっぱい詰まったイベントでしたね!

これからも「ハピママ*」では、「公共の場での授乳」をテーマにした記事を不定期で連載してゆきます。どうぞご期待ください!

自然災害被災母子支援活動として総額15万円を寄付

第2回【全日本おっぱいサミット】は、昨夏の西日本豪雨災害を受けて、被災母子支援イベントとしても開催されました。

実行委員会はサミット終了後、チケットの売上から1枚あたり1000円ほか、クラウドファンディング等を通じて集まった義援金、総額15万円を授乳服ブランド「モーハウス」が主宰する被災母子支援基金に寄付。被災地が一日も早く復興し、ママと赤ちゃんに笑顔と安らぎが戻りますように!

15の春から中国とのお付き合いが始まり、四半世紀を経た不惑+。かの国について文章を書いたり絵を描いたり、翻訳をしたり。ウレぴあ総研では宮澤佐江ちゃんの連載「ミラチャイ」開始時に取材構成を担当。産育休の後、インバウンド、とりわけメディカルツーリズムに携わる一方で育児ネタも発信。小学生+双子(保育園児)の母。