儚くて素敵なドラマをこの7人で作れてよかった

――改めてですけど、決勝のドラマを一緒に作り上げた今回の7人は最高のメンバーでしたか?

松澤 えっ、この7人ですか?

斉藤 「はい」って言えよ!(笑)

松澤 いや~、笑えるところを作ってくれる人やシリアスなところを作ってくれる人がいて。と思ったら、なんか綺麗な人もいて、ちょっとほんわかできる。すごくいいメンバーが揃っていたと思います。

清水 もう、この7人でしかなかったと思いますよ。俺がやれないことをサラっとやったり、何も言わずに誰かのサポートに回れる人を、局面、局面で目の当たりにしましたから。僕ももっと彼らに近づきたいなと思わせてくれる、そんな共演者たちでした。

『マーダー★ミステリー~探偵・班目瑞夫の事件簿~』

斉藤 いや、唯一無二のメンバーだと思います。そもそも脚本はないけれど、犯人が決まっていて、だいたいの流れも分かっているネタバレができない「マーダーミステリー」は同じメンバーでは1回しかできないゲームです。

そのゲームを本物の洋館で、面白いストーリーにして着地させることができたのは、人生で1度きりの非常にドラマチックな経験だったと思います。「よ~い、ドン!」で、ひとつの作品を作り上げたっていうのは、いまでもまだ信じられないし、ちょっとふわっとした不思議な感覚でもありますけどね(笑)。

両角 いま、斉藤さんが言ったように、同じ台本を手にしても絶対に同じものにはならない。そういったドラマをすごい熱量で作り上げたと思っているし、それはそれで儚くて素敵なことだなと僕は思っていて。その1回きりで消えてしまう素敵なものを、僕はこの7人で作れてよかったなと思っています。

――ただ、このドラマは一方では新人発掘オーディションの側面もあります。審査員の方々が見て、MSS(モスト・シャイニング・スター)がひとり選ばれるわけですけど、みなさんの自信の程は?

斉藤 両角さん、どうですか?

両角 僕ですか? 本当に分からないです(笑)。編集でどうなっているのかも分からないし、さっき起こったことがなくなって、また次のことが訪れるみたいなことが繰り返される撮影だったから、作品自体がどうなっているのかもまったく想像がつかないですね。

斉藤 僕は、自分の実力は出し切れたかなとは思っていて。自分の役割をそれなりに全うしつつ、ドラマをちゃんと作ることができましたからね。

松澤 僕は、やった~! という気持ちより、やりきったという想いの方がすごく強くて。やる前は、絶対に選ばれたいな~という気持ちでしたけど、終わったときには、自分ではやりきったと思えたし、これでMSSに選ばれたらラッキー! みたいな感情に変わっていました。

清水 いや~、難しいですね。僕もやりきったと言うか、自分のすべてを出し切ったとは思っています。でも、それを審査員の方々がどう観てくださるのかは分からないですからね。でも、個人的には自分が評価されることよりも、面白いドラマになることを願っています。本当に面白いドラマができて、マジでこの企画が続いて欲しい。また出たいし、これに出たら面白そうだなっていう奴らの顔も思い浮かびますから。

『マーダー★ミステリー~探偵・班目瑞夫の事件簿~』

――最後に、みなさんの俳優としての今後のビジョンを教えてください。

清水 僕はもう、日々、一生懸命やっていくだけです。その時々を全力でやれたらいいなと思っているし、いろいろな人と出会って、これまで気づけなかったことを見つけたり、成長していけたらいいですね。

両角 僕も“こういう俳優になりたい”というのは、ずっとなくて。いい作品を作れる俳優さんになりたいと思いながら、いろんな作品に参加させてもらっているので、それを続けていきたい。そのモチベーションをずっと保っていきたいと思っています。

斉藤 僕は“みんなのNo.2”の俳優さんになりたいなと思っています。若いころは誰よもモテたいとか、人気者になりたいとかって当たり前のように思っていたけど、いまはたまに食べる高級なパンじゃなくて、毎日食べる美味しい食パンのように、近くにいて、フットワークが軽くて、どんなリクエストにも応えられるような役者になりたいんです。そういう意味では、今回もすごく刺激になりました。

松澤 斉藤さんと少し似ていますけど、僕もどんな役でも演じられる人になりいです。それに、今回の「マーダーミステリー」もそうですけど、現場ごとに絶対に得られることがあると思っているから、いろんな撮影現場でたくさん経験を積んで、僕自身ではない、役にちゃんとなりきれるような俳優になりたいなと思っています。

番組情報

『マーダー★ミステリー~探偵・班目瑞夫の事件簿~』
3月19日(金)深夜1時34分~ ABCテレビにて放送
ABEMAで同時配信決定!
番組公式Twitter:@MadarameMisuo

映画ライター。独自の輝きを放つ新進の女優と新しい才能を発見することに至福の喜びを感じている。キネマ旬報、日本映画magazine、T.東京ウォーカーなどで執筆。休みの日は温泉(特に秘湯)や銭湯、安くて美味しいレストラン、酒場を求めて旅に出ることが多い。店主やシェフと話すのも最近は楽しみ。