懐かしさと新しさが融合した『ドラゴンボール超 スーパーヒーロー』

神谷浩史 撮影/友野雄

ーー『ドラゴンボール超 スーパーヒーロー』(以下、スーパーヒーロー)の台本を読んだ時の率直な印象はいかがでしたか?

神谷 まず「レッドリボン軍」を扱うんだ!と思いました。解決していなかったんだなと。

宮野 うんうん、思いましたね。

神谷 地球を滅ぼしかねない生物をつくるような悪の限りを尽くしたやつらを、やっとこさ悟空たちが倒すわけです。だけど、世の中的にはサタンが危機を救ったスーパーヒーローになっているという話で終わるのですが……実はレッドリボン軍の火種は残っていたという。

そして今作では、新たに人造人間ガンマ1号・2号を生み出した。僕の知らない『ドラゴンボール』の歴史がここでまた誕生したんだ、と思いました。

宮野 僕は懐かしさを感じましたね。『ドラゴンボールZ』の後半からは悟空たちが宇宙で頑張る話が多かったと思うんですよ。ナメック星人やサイヤ人と地球人の力の差が凄すぎて、地球人は対抗できない蚊帳の外感があったなと(笑)。

だけど『スーパーヒーロー』では、地球を舞台にピッコロさんへスポットが当たり、初期のような日常のドタバタの中に事件が起こっていて。ピッコロさんがパンちゃんの面倒を見るところから始まるとか。そういう意味で懐かしい感じがしました。

神谷 たしかに。

宮野 ほかにも初期のキャラクターが登場するので、これまで『ドラゴンボール』を見てきたファンの方が掴まれるところがたくさんあると思います。

「原作者・鳥山明の渾身の一作」とキャッチコピーにもあるように、セリフ回しやギャグの言い回し、キャラクターの動かし方など、鳥山先生独自の演出がふんだんに盛り込まれています。それでいてルックは新しい要素である映像技術を取り入れている。懐かしさと新しさの融合がすごく面白いと思います。

宮野真守 撮影/友野雄

ーー『スーパーヒーロー』ではお二人のお好きなピッコロさんが活躍しますが、ピッコロさんの見どころシーンもぜひ教えてください。

神谷 悟飯との共闘は見どころの一つですね。ピッコロさんと悟飯は師弟関係であり、悟飯を育てないと地球が危うくなるという名目のもと、ある意味では共闘関係にもありました。

そんな二人で共闘するシーンはこれまでも数多く描かれてきましたが、作戦失敗シーンも多くて。ピッコロさんが囮になっている隙にフルパワーの悟飯が敵を攻撃して倒す作戦を立てても、ピッコロさんが「今だ、悟飯!」と言っているのに悟飯は「ピッコロさん、怖い……」と何もできないとか(笑)。その当時からかなりパワーアップした悟飯とピッコロさんの共闘に注目してほしいです。

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