第29回読売演劇大賞の大賞・最優秀作品賞に輝いた『フェイクスピア』。そして9年ぶりの再演を新キャストで迎えた『THE BEE』。去年圧巻の演劇体験を観客に届け続けたNODA・MAPが、 2022年、<クイーン×野田秀樹דその後の”ロミオとジュリエット>という魅力的なコラボレーション、設定で話題を呼んだ『Q』:A Night At The Kabuki の再演を発表。
さらに、東京、大阪の国内公演に加え、ロンドン、台北公演が決定した。
イギリスが誇る世界的ロックバンド、クイーンが1975年に発表した傑作『オペラ座の夜』。「このアルバムが持つ演劇性をヒデキの手によって本当の“演劇”として広げられないか?」というクイーン側のスタッフから持ち込まれたオファーが、かねてから野田の頭にあったシェイクスピアの名作『ロミオとジュリエット』の“その後の物語”という着想と結び付いたことで生まれた本作。
主人公はふたりのロミオとふたりのジュリエットに、舞台は14世紀のイタリアから12世紀の日本に、モンタギュー家とキャピュレット家の関係性は平家と源氏の争いに置き換えられるという奇想天外な構想から2年の歳月とワークショップを経て編まれた本作は、2019年に初演を迎え、東京、大阪、北九州で全65ステージを上演。7万人を超える観客を魅了し、第27回読売演劇大賞・最優秀賞作品賞を受賞。
名曲「ラヴ・オブ・マイ・ライフ」、「ボヘミアン・ラプソディ」を含む『オペラ座の夜』全12曲の歌詞を野田が徹底的に読み込み戯曲を創作。物語の随所に楽曲を組み込んだ画期的な作風は、既存の音楽劇やミュージカルとは全く異なる躍動感と圧倒的な美しさ、力強さ、そして哀しみを放ち、予想だにしない結末と未体験の感動を提供した。
今回の再演では、2組のロミジュリ[瑯壬生(ろうみお)・愁里愛(じゅりえ)]を演じる松たか子、上川隆也、広瀬すず、志尊淳をはじめ、橋本さとし、小松和重、伊勢佳世、羽野晶紀、野田秀樹、そして竹中直人の初演時のオリジナルキャスト全10名の再集結が実現。世代もキャリアも異なる総勢10名の豪華人気俳優陣が再び一堂に会する奇跡の再演となる。
本作で初舞台に挑戦した広瀬は、大役ジュリエットを透明感溢れる瑞々しい演技で、第54回紀伊國屋演劇賞・個人賞を最年少で受賞している。野田演出の醍醐味とも言える「生の迫力」を表現する上で欠かすことのできない重要な存在、16名のアンサンブルキャストと共に、3年ぶりの『Q』:A Night At The Kabukiで各々が見せる進化にも注目したい。