モテる人が持っているものは何だと思いますか?
――話の流れで、恋愛映画を得意とされている今泉監督に2つほどお聞きします。まず1つ目。田中さんに象徴されるのかもしれないですけど、モテる人が持っているものは何だと思いますか?
「え~、何でしょうね。やっぱり、他人の話が聞ける人はモテるだろうし、『mellow』(メロウ)の夏目は田中さんも『これってモテているのかな?』って言っていたぐらい微妙ですけど(笑)、夏目にとっての花のように、ひとつのことに打ち込んでいる男性はモテるような気がします。
逆にモテない人というのもいて、自分に自信がない人は本当にモテないんだなっていうことをいろんな場面で実感していて。
めちゃくちゃイケメンなのに、モテない大学のときの友だちが実際にいるんですけど、『愛がなんだ』で成田凌さんが演じたマモちゃんは完全に彼をモチーフに作っていったんです(笑)。
その友だちはめちゃくちゃイケメンだったけれど、残念な人で、彼のキャラはマモちゃんにかなり投影されていますね」
――監督の周りには、モチーフになる人がいっぱいいるんですね(笑)。
「浮かぶときは早いですね。でも、モテる人っていうのは何ですかね? モテるのは自信のある人とさっき言った何かに打ち込んでいる人…あと、優しい人はいい人止まり説もあるから何とも言えないけれど、言葉数が少ない人はやっぱりモテますよね。
俺、めっちゃ喋るので、口数が少なくて、ひと言でめっちゃ面白い人にはいちばん憧れます(笑)」
片想いが両想いに成就しない女性に一貫していることは何だと思いますか?
――2つ目の質問です。『mellow』(メロウ)は片想いの話ですけど、片想いが両想いに成就しない女性に一貫していることは何だと思われますか?
「女性が告白したら、男性よりも成功する確率は高いと俺は思っていますけど、実際に告白する女性は少ない気がします。
『知らない、ふたり』では伝えないことの大事さを描いたけれど、女性は今回の登場人物たちのように自分の気持ちを伝えた方がいいと俺は思いますね。
俺、人生で1回だけ女性から告白されたことがあって。今回、劇中に何度も『ありがとう、でも、ごめんね』みたいな言葉が出てきますが、自分が告白されたときも普通に『ありがとう』という言葉は出たし、その女性のことは全然恋愛対象として見られなかったけれど、告白されるのは嬉しいことなんだって思いましたから。
女性は言えないままだったり、相手が自分に気がなかったら言わないみたいな感じで探っている人が多いような気がします。
でも、告白した方が相手も意識するだろうし、俺は好きになった女性には全員告白してきた人なんですよ! 伝えてマイナスなことはないと思うし、告白しないと終われない。
だから、相手のためと言うより自分のためなんですけど、女性ももっと告白した方がいいと思います」